【WLBコラム】なぜ読書がタイムマネジメントに有効なのか?
「とにかく忙しくて毎日があっという間に過ぎていきます。
充実感は感じているのですが、私が行く客先訪問が重なったり、
出張などで長期不在の時はとにかく不安です。
スタッフだけでは仕事は回りませんので。
だから少しでも私自身の時間効率を上げる必要があるのですが、
すぐできる時間管理術のポイントを教えてもらえませんか?」
以前、別のテーマでセミナーをしていた時に、
たまたま参加されていた若手経営者の方からご質問をいただきました。
起業直後から売上が安定するまでの数年間は、
とにかく忙しく過ごす経営者の方が多いようです。
かくいう僕も毎日忙しく過ごしています。
その中で、効率を向上させていくことはとても大切なことだと思います。
が、本当にそれだけで仕事の効率はどんどん良くなっていくでしょうか?
僕のように全てをほぼ一人でこなしている個人事業主なら、
それも良いでしょうが、
もし社員やスタッフを雇っている経営者の方なら、
解決策は少し異なってきます。
というのも、
個人の時間効率を上げるにも限界があります。
どんなに簡単な仕事であれ、
自分で請負えば必ず時間を使います。
ですが、社員を雇う経営者の方なら、
その時間を「0」にすることも可能です。
その方法は・・・、
「任せる」です。
「なーんだ、そんなの当たり前じゃないか」
と思われるかもしれませんが、
これができないで困っている経営者の方は意外と多いのです。
さて、仕事を任せるには大きく分けて、二つの要件が必要です。
一つは『教育』、もう一つは『信頼』です。
どんなに高い能力やスキルを持った社員でも、
経営者の意のままに仕事をこなせる人などほとんどいません。
どんな社員にも最初は『教育』が必要です。
ここでいう教育は、単に作業手順や工程、
または専門知識や専門スキルを身につけることだけを指しているのではありません。
理念やビジョン、経営者の想い、戦略や戦術など、
目に見えない部分も含めて、教え育む必要があります。
また、仕事には必ず結果に対する責任が伴います。
その責任を負えるだけの自信をつけさせることも大切です。
そして、その責任が負えるだけの十分な力を持っていると
『信頼』できなければ、仕事を任せることはできませんよね。
その信頼を築いていくのは社員の努力だけではなく、
経営者が「信じて頼る」ことをしなければ構築されていきません。
たとえ失敗が続いても、任せることができるか?
信じて頼り続けることができるか?
ここが経営者の心構えとして大切な部分でしょう。
もちろん、放任主義とも無茶振りとも違いますよ。
きちんと社員の教育を行った上で、信頼を築いていってくださいね。
さて、では、経営者のタイムマネジメントとして何を優先するべきか・・・。
ここまでの内容から「社員教育」と「信頼構築」の
優先順位が高いことはご理解いただけたと思います。
もう少し、付け加えておきますね。
僕自身、100名以上の経営者のお話を伺ってきて、
これが最も大切だなと思うことです。
それは・・・、
「自分と社員の幸せを考える」です。
何のために仕事をするのかといえば、社会貢献です。
社会貢献とは、社会に対して自分の強みを発揮することです。
仕事はそもそも『分業』という考え方から成り立っています。
つまり、
「誰もが行わなければいけないことを、
得意な人が請負えば、全体としての効果や効率(生産性)が上がりますよね」
という考え方が発端です。
自分は、あるいは自社は、何が強みなのか?
社員はどのように働ければ、強みを発揮できるのか?
また、その先にどんな社会貢献ができるのか?
結果として、自分も社員も幸せになれるだろうか?
そんなことを考える時間が、
経営者にとって最も大切なのではないかと思います。
あなたはどう考えますか?
【参考】クリニック院長のためのタイムマネジメント