子育てとは、脳を育てること7

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

子育ての皆様へ。

 今までと全く着眼点が違う「子育て」論です。
 今日は、その7回目です。

 この寄稿文「子育てとは、脳を育てること」と「「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が脳をつくる」は、「子育てとは」の共通テーマとなっています。
 これらの寄稿は、随時行っています。
 また、従前からのコラム掲載はこの「子育て」のために寄稿しております。
 この「子育てとは、脳を育てること」と「「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が脳をつくる」をご理解いただき、また従前のコラム掲載を再度ご覧いただきながら、子育ての一助にしていただけたら幸いです。
 子育てとは脳を育てること。
 つまり、脳を育てることが子育てなのです。
 脳を育てるといっても、知識を詰め込ませるような子育て論ではありませんので、誤解しないようにしてください。

 では、子育てとしての「脳を育てる」とは具体的にはどういうことなのでしょうか。


 発達障害のケアには、脳育てがたいせつです

 発達障害があるため、脳を育てることが必要であることを以前のコラムで解説しました。
 早期に「脳の神経回路を変化させる」ことが、ケアにつながるといわれてもどうすればいいかわからないのが当たり前です。脳についてご理解いただくために、再度説明いたします。
 説明の前にこの二つの用語を覚えてください。「脳は変化し、その変化は保持される」「使われないシナプスは衰退し、使われるシナプスは強化される」です。
 これを脳の可塑性といいます。脳は経験によって変化し、その変化が長く残る特徴をもっています。このような特徴を「脳の可塑性」と呼んでいます。可塑性とは、一般に個体に外力を加えて変形させ、力を取り去っても元に戻らない性質、変化し、その結果が残るような性質のことをいいます。
 コンピュータと私たちの脳を比べてみると、脳の「可塑性」がよくわかります。現在、私たちが使用しているコンピュータはいろいろと複雑な機能をこなしますが、機械・装置としての物理的な構成要素であるハードウェアは使用しても変化することはありません。
 コンピュータからいろいろな機能をこなすことができるのは、ソフトウェアの働きによります。例えば、インターネットにアクセスするときに使用するブラウザーの働きは、使うと学習しユーザーに合わせて「賢く」なりますが、この機能もソフトウェアの中に書き込まれた機能です。一方、脳は神経組織の配線が変化して「賢く」なります。言い換えれば、ハードウェアが変化して賢くなる特徴をもっています。これが脳の可塑性です。

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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