「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える22

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
 この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
 「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
 そのかかわりは胎児から始まります。

 前回のコラムをもう一度掲載します。

 「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
  その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。

 その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
 では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4最上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
 前回は「脳を育てる」を再掲し、皆様方へ「子育て」のご理解を促しました。
 今回のコラムは「楽しく、身体を動かす」です。
 これも、「子育て」にとてもたいせつなものです。


 「運動脳」の解説19

 培ってきた脳の発達

 前回、子どもの心身の発達や神経発達症(発達障害)のケアには「活発に、身体を動かすこと」が必要であることを説明しました。「活発に」とは、自ら、自主的に、自分の意思で、自己決定でなど他の人が指示、命令、指導など関与しない、「心地よい身体の運動」が必要ですと解説しました。
 なぜ「楽しい、心地よい身体運動」が人間には必要なのでしょうか。「楽しい、心地よい身体運動」環境を違う視点から考察してみましょう。
 アメリカの医学博士ジョンJ.レイティは、その著書「脳を鍛えるには運動しかない」NHK出版において、次のように述べています。
 <走るべく生まれついている>
 生物学者ベルント・ハインリヒは、その著書「アンテロープを追う:走ることと生活について動物がわたしたちに教えてくれること」のなかで、人類を「持久力のある捕食者」と評している。今日のわたしたちの体を支配している遺伝子は10万年以上前に進化したものであり、そのころ人類は絶えず動きつづけていた。食べ物を探し回ったり、何時間も何日もかけて平原でアンテロープを追ったりしていたのだ。ハインリヒによれば、アンテロープは哺乳類のなかでも最も足の速い種のひとつだが、わたしたちの祖先はそれを狩ることができたそうだ。どうやって?逃げる力なくなるまであとを追いつづけたのだ。アンテロープは短距離走者で、その代謝系では、いつまでも歩き続けることはできない。だが、人類にはそれができる。また、わたしたちの筋肉繊維は収縮の速いものがバランスよく組みあわされているので、延々と野山を越えたあとでも、一気に走って獲物を仕留めることができるのだ。
 もちろん今日では、生きるために採集や狩りは必要ない。しかし、わたしたちの遺伝子には狩猟採集の行動様式がしっかり組み込まれていて、脳がそれをつかさどってるようになっている。従って、その活動をやめてしまうと、10万年以上にわたって調整されてきたデリケートな生物学的バランスを壊すことになる。簡単に言ってしまえば、体と脳をベストな状態に保ちたいなら、この歴史の長い代謝システムをせっせと使うべきなのだ。DNAに刻み込まれた古代の活動は、おおまかにウォーキング、ジョギング、ランニング、全力疾走に置き換えることができる。そして、この祖先の日常の活動を真似しなさい、というのがわたしに言える最善のアドバイスだ。つまり、毎日、歩くかゆっくり走るか、週に二、三回は走り、ときどきは全力疾走で獲物を追うのだ。
 アメリカの医学博士ジョンJ.レイティは、このように述べています。

 次回に続きます。
 

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

テニスを通じて子どもの心身発達を支援するプロ

吉田洋一プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼