文章の段階(言語獲得のプロセス)
その子の内側の体験の世界」第45回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
次は、「その子にはたらきかける」です。
親が5歳になるまでに積極的にかかわることがとてもたいせつになります。
これは、子育ては「脳を育てること」で詳細に解説しました。
もう一度、読み直しましょう。
「その子にはたらきかける」5
マザリングから育まれるもの
<身体感覚の分化>
身体的な世話を通して、身体感覚の分化が進んでいきます。
もちろん赤ちゃんは、ここで述べた「安心」「自信」「信頼」といった言葉で、自身の体験をとらえているわけではありません。赤ちゃんが身体全体で、すなわち肌で感じているだろう言語以前の体験を、私たち大人の言葉に翻訳すれば、こうとでもいえるかなという憶測です。
このように発達心理学や発達理論には、赤ちゃんに対する大人からの視点からの「憶測」や「投影」を出ないところがあります。揣摩臆測による「おはなし」かもしれません。
が、大人たちが様々な観察事実を手がかりに、こうした揣摩臆測をあえてする背景には、赤ちゃんも決して不可知、不可解な存在ではなく、自分達と共通した存在であるはず、という確信があります。
親たちがわが子を自分たちと同じ「こころ」をもつ存在と確信して子育てをしているのです。
次回に続きます。