- お電話での
お問い合わせ - 090-2790-5389
コラム
言葉のはじまり
2023年9月2日
一般にしつけの始まる1歳代に入ると言語の獲得が始まります。言語もまた人間が社会的に文化的につくり出した約束やルールで、しつけと言葉の獲得とが時期的に重なるのは、偶然ではないかもしれません。しつけとの違いは、言葉の方は、大人が意図的にはたらきかけなくても、子どもが自ずから自発的に習得していくとこです。しかし、ここでも大人は知らず知らずに大きな関りをしています。
まず、言語がどのような構造をもっているか説明しましょう。
言葉の構造ー指示性(認識)と表出性(関係)
情報伝達の信号系としての言葉なら、他の動物でももっています。しかし、人間の言葉は単なる信号ではなく、世界をとらえ分けるための意味(概念)や約束(規範)の体系を成しています。私たちが物事を認知的にではなく認識的にとらえるのは、この人間固有の言語のはたらきによります。この言語のはたらきを言語の「指示性」と呼びます。「これは〇〇です。」など対象を指し示すあるいは認識する機能です。
それと同時に、人間の言葉は相互交流のチャンネルであり、私たちは言葉によって体験を共有しあい「関係」をもちあっています。この場合、単に情報を伝え合うのではなく、何よりも情動を分かち合うはたらきを言葉は備えています。このはたらきを言語の「表出性」と呼びます。「えーすごい!」など情動を表出する機能で、情動は人間同士の関わりのなかで絶えず生起し、また人間同士の関わりを動かす大きな力となっています。
次回に続きます。
関連するコラム
- アタッチメントで親の安心が子に伝わる 2023-05-05
- やりとりから関心の共有が始まる 2023-06-02
- 指さし(言語獲得のプロセス) 2023-09-04
- 非実体と代名詞(言語獲得のプロセス) 2023-09-06
- 「知恵づき」の時期 2023-08-29
コラムのテーマ一覧
カテゴリから記事を探す
吉田洋一プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。