その子の内側の体験の世界21
「その子の内側の体験の世界」第31回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」30
○リビドー2
私たちの思いは、物質的な対象にも向けられますが、何よりも社会的な存在である私たちは、「ひと」に思いを馳せ向けます。この馳せ思いは、乳幼児期には養育者に向かって強くはたらきます。
それが関係の発達をうながし、やがて特定のヒトに対する深い成人性愛的な思いへと発展します。そして、そのヒトとの間に子どもが設けられれば、思いは設けられた子どもへと向けられます。
このように思いへの対象やかたちは変転しますが、それらを貫く普遍的なものがあるのです。
乳幼児が養育者に馳せ思いを向けるのも、大人になって恋人に思いを向けるのも、親になってわが子に思いを向けるのも、その他の様々な人や動物、事物に思いを向けるのも、すべて「リビドー」のはたらきなのです。
次回に続きます。