その子の内側の体験の世界27
その子の内側の体験の世界」第11回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」10
○関係は認識に支えられる
一方、関係の発達は認識の発達に支えられています。
人間のかかわらなければならない世界は、複雑な社会的な関係の世界なのです。
そこにかかわる力をしっかりと伸ばしていくには、人間の社会的な行動の意味や約束をとらえる力、つまり認識の力が必要になります。
人間がかくかくの行動をするときには、背後にはしかじかの意味が込められています。
他人に対してこうふるまうのは許され、ああふるまうのは許されないといった、様々な意味や約束の理解によって、社会性は支えられています。
精神発達は、「認識の発達」と「関係の発達」の二つの軸からなりますが、この二つの軸は独立ではなく、互いに支え合っています。
精神発達は両者のベクトルとして進みます。
すなわち、認識の発達が関係の発達をうながし、関係の発達が認識の発達をうながします。
次回に続きます。