その子の内側の体験の世界15
「その子の内側の体験の世界」第5回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」4
胎児期の赤ちゃんは、私たちが生きているこの人間世界をまだ何ひとつ知らない、何ひとつかかわりをもたず、40週を過ごしています。
その赤ちゃんが出産によって、いきなりこれまで知ることもかかわることもなかった未知の世界に産み落とされ、そこから人生が始まります。
知らないままの世界は生きられません。生きていく以上、その世界がどんな世界なのかを知らねばなりません。生まれた赤ちゃんがまず取り組むのは、未知な周りの世界を自分の力で探検して知っていくことです。つまり、世界を「認識」していくという大仕事が赤ちゃんを待っているのです。
しかし、ただ知るだけでは生きていかれません。その世界にはたらきかけ、世界とかかわっていかなければならないのです。世界のほうも赤ちゃんにはたらきかけてきます。
生まれた赤ちゃんがもうひとつ取り組むのは、未知な周りの世界に自分の力で接近し、かかわりを結んでいくことなのです。つまり、世界と相互的な「関係」を育んでいくという大仕事も待っているのです。
次回に続きます。