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小学生の発達の症状の特徴5

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は5回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

1 すぐ泣く。突然泣き出す、怒り出す。
(続き)
<改善方法の具体例>
「泣かない、怒らないために、家庭でやること」
○泣いたら、視線を合わせて注意をする
 泣いている子に注意しても、全然伝わりません。
 見えていない、聞こえていないからです。
 その子は。特に激しく泣いて、周囲が見えなくなります。
 泣き出したり、怒り出したりした場合は、その子の前に座り、視線を合わせながら泣かないように注意をします。
 泣いたり、怒ったりしているその子に、視線を合わせず注意をしても、どんなに大声でもその子には伝わりません。
 その子は視線を合わせるのが苦手です。親の方から、しっかりと目と目を合わせましょう。
○泣き止んだら、褒める
 泣くのを我慢して、泣き止んだ時には、その子を褒めましょう。
 ・泣いたけど、我慢する
 ・怒ったけど、我慢する
 その子は我慢する経験を繰り返して、自分の感情をコントロールできるようになっていきます。
 我慢をしたその子は、親が褒めることで、次も我慢する気持ちになります。
 泣き止んだその子を、しつこく叱り続けるのはダメなやり方です。
○泣く前に、怒る前に、言い聞かせる
 普段の生活の中で、その子が冷静なときに、言い聞かせましょう。
 ・すぐに泣いちゃダメ
 ・すぐに怒っちゃダメ
 こう言い聞かせるのは、泣き出したときや怒り出したときではありません。
 興奮した状態のその子に、話を聞かせるより、落ち着いた状態のときに、話を聞かせた方が当たり前ですが効果があります。
○外出先で泣いたら、家に連れて帰る
 お出かけの途中で泣き出したら、家に連れて帰りましょう。
 電車の中で泣き出したら、次の駅で降りましょう。
 スーパーなどのお店の中で泣き出したら、外に連れて出しましょう。
 泣いたことを叱ったり、ご褒美で泣きやめさせず、泣き出した時点で行動を打ち切って帰りましょう。
 静かな場所でしっかりとその子と向き合ってから、注意をしましょう。
○しつこいときは、無視をする
 その子が一旦泣き出したり、怒り出したら、もともとの原因を忘れ興奮状態が続き、さらに泣き出します。
 視線を合わせて注意してもパニック状態になって泣き出したら、無視してその子が疲れて冷静になるまで待ちましょう。

  次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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