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幼児の発達の症状の特徴23

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 3歳から6歳児の幼児における発達の症状の特徴の23回目を解説します。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているから即発達障害だということではありません。経過観察も必要ですし、年齢が上がるほどその特徴がなくなることが大半です。
 また、皆さんが誤解していることがありますので、再度申し上げます。
 発達障害は発達の異常ではありません。発達の定型(平均)からのずれ(order)が生じているだけなのです。

6 幼稚園行事を嫌がる
 (続き)
 <困ることは>
 幼稚園の行事でみんなと同じ行動ができないと、仲間外れの原因になります。
 幼稚園の行事を一人だけ嫌がって集団行動ができないと、先生に迷惑がかかります。
 お友達にも迷惑がかかり、仲間外れの原因になります。
 何よりも、せっかくの思い出になる行事なのに、その子が楽しむことができません。

 <その原因は>
 障害のため、いつもと違う新奇場面に強い不安を感じるのが原因です。自閉症の傾向があります。
 この幼稚園や保育園の行事を嫌がる特徴は、いつもと違う状況の変化に対応できないのが原因です。
 ・いつもと違う雰囲気になると不安になる
 ・知らない場所へ行くと不安になる
 ・お遊戯会で普段と違う衣装を着るのを嫌がる
 ・運動会で大きな音楽が流れるのを怖がる
 ・保護者が大勢やってくると不安になる
 普段と着るものが違ったり、周りの大きな音、普段と違う人がいる、いつもと違う様子を感じると不安になってしまう。そして、幼稚園や保育園の行事を嫌がり参加できないのです。つまり、いつもと違う環境を嫌がる特徴があります。
 特に自閉症の傾向がある子には、この特徴が多くみられます。自閉症の子は、毎日の生活パターンが決まっていると安心や安定して過ごせますが、予定外のことに対しては強い不安を感じます。

 <改善例>
 事前に幼稚園の運動会のビデオを何度も見せて、本番の雰囲気を教えておきます。前年の行事のビデオや写真を見せると効果があります。
 前年のビデオがないときには、YouTubeなどで公開されている、似たような映像を見せる方法もあります。
 自閉症の子は予定されたことなら不安なく行動できます。何度もビデオを見て行事をイメージすることで、行事の本番で不安なく行動できます。
 着るものを嫌がる子には、衣装を事前に借りて、家で着せて慣れさせましょう。
 大きな音を嫌がる子には、本番のBGMと同じ曲を家で聞かせて、事前に慣れさせましょう。本番と音量は違いますが、自分の知っている曲だと落ち着いて行動できることがあります。
 運動会の笛の音などは、練習風景をビデオで撮影して、小さい音量で笛の音を聞かせて、慣れさせましょう。

  次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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