小学生の発達の症状の特徴5
3歳から6歳児の幼児における発達の症状の特徴の5回目を解説します。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているから即発達障害だということではありません。経過観察も必要ですし、年齢が上がるほどその特徴がなくなることが大半です。
また、皆さんが誤解していることがありますので、再度申し上げます。
発達障害は発達の異常ではありません。発達の定型(平均)からのずれ(order)が生じているだけなのです。
1 言葉が遅い
前回の続きです。
<言葉を理解するために、幼稚園に期待すること>
まず、障害のことを先生にお話ししましょう。
言葉が遅い子は、幼稚園での先生の指示などが理解できません。集団行動では、お友達から出遅れてしまうので、先生のサポートが欠かせません。障害のため、言葉がうまく話せない特性を先生に理解していただきサポートをお願いしましょう。
そして、子どもの目の前でもう一度説明してもらいましょう。先生が子どもたちの集団に向かって話しかけても、言葉が理解できない子は、自分に話していると感じません。集団への指示の後に、個別にその子の前で、もう一度短い言葉で説明してもらいましょう。
その子が理解できなくても、話しかけてもらいましょう。
たとえ話を理解できていなくても、先生にはその子に話しかけてもらいましょう。
理解できないからと言って、話しかけないと、いつまでたっても言葉を理解できません。家で言葉や会話の訓練をすることはたいせつですが、同世代のお友達に囲まれ、集団生活する幼稚園では、家以上に学習効果が期待できます。
先生も忙しいでしょうが、障害をもつ子への言葉かけをお願いしてみましょう。
はい、いいえの選択形式で聞いてもらいましょう。
うまく話せない子でも「うん」でYes。「ううん」でNo。これで会話が通じることがあります。言葉が苦手な子でも、答えやすいように、YesかNoで答えられる内容で、先生に話しかけてもらいましょう。子どもにとって、先生との会話はすごく嬉しいものです。言葉が通じる経験を繰り返すことで、障害をもつ子にも言語への興味がでてきます。
話は短くです。長い話は理解できません。短く端的に話してもらいましょう。
合図を決めましょう。例えば、人差し指を立てて口に当て「しっ」のポーズ、これを見たら全員が静かにする。話すことができない障害をもつ子でも、合図なら理解できる場合があります。もし、合図で先生からの指示を理解できるなら、合図と言葉を併用することで、問題行動が減って、言葉の理解も進みます。
担任の先生の他にサポートの加配の先生がいる場合は、加配の先生には、担任の先生が話したことを、短い文章に言い換え、指示をしてもらいましょう。担任の先生が「積み木を片付けたら、お絵描きね」と言ったら、加配の先生には「積み木を片付けて」と、一つずつ障害をもつ子にお話しします。
<間違った例>
しつこく練習させる。
早く言葉を覚えてもらいたいと親は焦りがちです。子どものやる気がないのに、何度も言葉を練習させても、話すことが嫌になるだけです。子どもが会話に興味を持つように、楽しくトレーニングをしましょう。
間違いを褒めてばかり
褒めるのはいいことですが、間違いも褒めてばかりだと、そのままでいいと勘違いします。変な言葉や会話は、親が正しい言葉に言い直して、会話のトレーニングをしましょう。
イライラ間違いを叱る
間違いを叱っても、子どもは言葉を覚えません。言葉が遅いのは、障害児本人の努力不足ではなく、発達障害が原因です。イライラ叱ると、子どもはますます話すことが嫌いになります。(1の終了)
次回に続きます。