2021年「今」もっとも飲んでほしい漢方薬
インスリン注射以外に少しでも膵臓の働きをたすけてくれるものがあれば、と必要に迫られるとつい情報あさりをしてしまいます。
薬局店頭に相談に来られる方の中にも、一旦は専門医を受診して先生の言うとおりに処方を受け、膵臓を休ませた方が良くないですか?とお話しする方々があります。
それでも、さまざまな都合で受診予約までに日が空いてしまって不安で居られず何か始めたいと切望する方があるのが現実です。
そのような方には、生活指導や食事指導と共に、かつて日本の著名な医師たちが研究していた漢方薬独参湯(紅参、コウジン)をおすすめしています。独参湯(紅参、コウジン)は、糖尿病の方に対して、このような7つの作用を持っています。
1.からだの血液細胞を使って血糖値を下げる
2.交感神経の興奮を鎮めて血糖値の上昇を抑える
3.膵臓の働きを助ける
4.血栓の予防と改善対策になる
5.糖尿病性腎症の予防と維持に
6.糖尿病性網膜症の維持改善
7.末梢神経障害の進行予防と症状改善に
今回はこのうち、3つめの膵臓の働きを助ける作用のご紹介をします。
独蔘湯(紅蔘、コウジン)の作用の特徴
独参湯(紅参、コウジン)の作用の特徴は、「異常に高まった血糖値を正常に戻す作用はあるが、正常血糖値をそれ以下にする作用はない」という都合の良いものです。
人参の持つ血糖降下作用は、病院で処方される医薬品ほど強いものではありませんが、低血糖を起こさず安全性が高いと言えます。
この研究がなされた時代には、血糖値スパイクという言葉はまだ使われていませんでしたが、紅参のもつ特徴的な働き「恒常性の維持」がスパイクを和らげてくれる働きがあるようです。また、紅参の作用の特徴から糖尿病にまつわるさまざまな合併症や不定愁訴の改善にお役に立てます。
紅参の作用は多面的でインスリンの節約に
紅参(コウジン)の作用は多面的で、ブドウ糖の代謝経路・肝臓でのブドウ糖のプール作用(糖新生の抑制)・脂質代謝の改善など多岐にわたります。インスリン様物質の発見もあり、インスリンの節約作用である研究者がいるほどです。
要介護者がいて、自分自身はすぐに入院できない立場の女性が、遠方からも駆け込んで来られます。治療量で対応させていただきましたが、いずれの方も決して悪あがきではなかったです。
参考文献
・糖尿病における薬用人参の有用性 The GINSENG REVIEW 1986 NO.4 p16
富山医科薬科大学 第一内科 矢野 三郎
・正官庄コウジン末の糖尿病患者の耐糖能に及ぼす臨床的研究
The GINSENG REVIEW 1986 NO.4 p27 琉球大学医学部第二内科 三村 悟郎
・薬用人参‘89 p96-107 糖尿病患者に対する有用性 加藤弘巳、矢野三郎
・他多数