血糖コントロールは肝臓の役割~肝臓に休息と栄養を!
楽しくお酒を飲んだ後、「あぁ、ラーメンを食べて帰りたい!」「おにぎりが欲しい!」
そう思ったことはありませんか?
このシリーズでは、体内の中で最も栄養素を必要とする「肝臓」と糖尿病との関係についてお話しします。
右のあばら骨をさわってみてください。右のあばら骨の中あたりが一番大きくて、そのあばら骨の下線ギリギリから、左のあばら骨の下線にかけてはみでるように位置している臓器があります。これが肝臓です。
食事を摂取すると、エネルギー源である三大栄養素は「体温」や「元気」につくり変えられますが、その「代謝」のためには、多くのビタミンやミネラルなどの栄養素が必要になります。この代謝を行う臓器が肝臓です。
肝臓はそのほかに、解毒の仕事をしています。
口に入れるものを一本の座標軸にすると、上図のようになります。左の毒の方に行くほど、肝臓は解毒の仕事が必要になるし、解毒しきれないものを口にすれば体はダメージを受けてしまいます。
当然、解毒の仕事量の多いものほど、多くの栄養素を必要とします(解毒に必要な栄養素+解毒に必要なエネルギーを作るための栄養素)。
ボクシング選手は、ここに響くようにパンチを繰り出して相手のダメージをねらいますが、生活の中でも肝臓は大きなダメージにさらされています。これが高血糖の原因になるのです。
お酒を飲みすぎたり、風邪をひいたり、寝不足や過労が続いたりすると、背中の右側が凝ったり張ったりするときがあるでしょう。また、目が疲れたり、右肩がこりやすいときもあるでしょう。それは肝臓のSOSのサインです。肝臓に過度の負担がかかっているのです。
昔から、病気を治すには「休養と栄養が必要」と言われていますが、肝臓にも十分な休養と栄養が必要なのです。
お酒を飲んだ後、しめのラーメンを食べたくなることありますよね。アルコールを大量に飲むと、肝臓は飲んだアルコールを解毒しなければいけません。肝臓の働きが解毒経路に片寄ると、肝臓での血糖コントロールが出来なくなるために、体は低血糖となり、空腹になるのです。
毎回しめのラーメンが欲しくなるような、肝臓を酷使する飲酒習慣を続けていれば、糖尿病を発症する危険性も確実に高まります。定期的に休肝日を設けるほか、後述するような肝臓に必要な栄養も補給してあげることが必要です。