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笠原友子

栄養と漢方で糖尿病を健康に導くプロ

笠原友子(かさはらともこ) / 薬剤師

笠原健招堂薬局(有限会社笠原)

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コラム

過剰な糖分は、内臓脂肪に~肝臓に休息と栄養を!

2016年9月23日

テーマ:肝臓に休息と栄養を!

コラムカテゴリ:医療・病院

肝臓に休息と栄養を!の5回目です。
前回は、肝臓が弱ると、「心臓が砂糖漬け」にと言う話しでした。

食べた食物は、消化吸収されてほとんどが肝臓に入り、代謝されて血肉となります。


が、食べたエネルギー量が多過ぎておさめきれず、その道筋に渋滞が起きて、道端に野積みされている状態が内臓脂肪です。


 内臓脂肪は反応性が高く、さまざまな生理活性物質を発散してからだに影響を及ぼします。血液が凝固しやすくドロドロになって、血管が収縮すれば血圧は上がりやすくなるし、インスリンの働きを邪魔して、血糖値を上げてしまいます。


健康診断で腹回りを測っているのは、内臓脂肪蓄積と腹回りとのおおよその推計値から危険度を推測できるからです。
「血圧の薬は一度飲むと止められなくなるから飲みたくない。」
と言う患者さまにしばしば会います。
そのままの腹回りを維持した状態では、薬の服用を止めることは出来ないでしょう。

 しかし、少しの努力で解消できるのも、内臓脂肪の特徴です。そのための方向性は2つあります。
①肝臓への入り込みを減らす(食べる量を減らす) 
②肝臓へ入り込みやすいように道をあけてあげる(漢方や栄養素補給で肝臓での代謝を改善し、運動して消費量を増やす)

 脂肪の特徴を表すたとえに、『皮下脂肪は定期預金、内臓脂肪は普通預金』とありますが、内臓脂肪は自力で即座に解消させやすいのです。
 食べる量を減らして、運動で消費するのが、最も効果的な方法です。
アルコール性の脂肪肝がアルコールをやめれば検査数値は1~2ヶ月で改善してくるように、非アルコール性脂肪肝も内臓脂肪の解消も、食べる量をまず減らし、その上で運動で減らすとすぐに効果が表れます。

同じ体重を維持している方なら、すべての口に入れるものをまず均等に減らし、それに慣れてきたら運動時間を1日合計30分とってみましょう。急にハードな運動をするのは、体の負担になります。

努力しても、一時的に血糖コントロールが悪くなる方もありますが、がっかりしないでください。がんばった証拠です。
脂肪細胞に溜め込んである中性脂肪を分解して、出てきた物質の中には、インスリンに抵抗するものがあります。そのために一時的に血糖コントロールが悪くなったかのように見える時期があるのです。継続して脂肪細胞が小さくなると、努力の効果は出てきます。あきらめないで続けましょう。

うちの店で生活改善された方が元通りの生活に戻ってしまわず良い状態を維持されているのは、血液検査結果や服用薬のチェックと共に、体組成の測定をもとに生活チェックの中から改善可能なポイントを探っていくからです。

この記事を書いたプロ

笠原友子

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笠原友子(笠原健招堂薬局(有限会社笠原))

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