老後の住まいに「減築」という選択肢。メリットは?
家を持つと、そこから長いお付き合いが始まります。自分たちが年を取ったときのことも考え、長く、安心して住める家にしたいものです。
家づくりをする時点から、老後のことを考えて生活動線をバリアフリーにしたり、廊下の幅を広くとるなどの対策を講じておきましょう。
「働き盛り」と「老後」
統計的に見ると、はじめてマイホームを購入する年代は、30代後半から40代前半に集中しているようです。
この年代は「働き盛り」ですから、住宅ローンの負担にも「よし、働いてきっちり返済していこう」という意気も旺盛でしょう。そして、念願のマイホームのデザイン、間取りなどにさまざまな工夫を凝らすこととおもいます。
そこにもう一つ加えて、「老後を考えた工夫」をお伝えしたいとおもいます。
車イスなどでも生活ができるように動線のバリアフリーを
まだ元気な年代の方々に「老後」のことを持ち出すと、「そんな先のことを」と言われそうですが、ちょっとお考え下さい。
「家は一生の買い物」という言葉があります。この「一生」には、誰にでも訪れる「老後」も含まれています。
たとえば、いまはなんでもない階段の上り下り、これが年齢を重ねるとつらくなる可能性が出てきます。元気な頃はなんでもないことが、老後には大きな問題になることが多いのです。
高齢者の家庭内の事故で多いのが転倒です。ちょっとした段差が事故を招く原因になります。そうしたことを考え、新築時に、家の中をバリアフリーにしておくのも老後を見据えた工夫の第一歩と言えるでしょう。
また、廊下の幅。
「え?」と、おもわれるかもしれませんが、将来、車椅子を使うことになった場合、廊下の幅は重要になります。後から廊下の幅を広げるのは大掛かりな工事になるからです。廊下の幅に余裕を持たせるのと合わせて、バスやトイレの入り口は広めに取り、スライドドアや折れ戸にして、車イスでも利用できるようにしておくのもおすすめです。
将来減築や二世帯住宅にリフォームできるようなプランニングも
LDKとバス・トイレといった水回り、主寝室は1階に集約し、2階に子ども部屋などを設け、子どもが独立した場合は減築できるようにしておく。
あるいは二世帯住宅にリフォームできるように2階にトイレと洗面台を設け、将来的には浴室も設置できるようにあらかじめ新築時に給水・排水等の設備を備えておくといったプランニングも有効です。
老後を見据えた家の設計、ぜひ、お考えいただきたいとおもいます。