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一級建築士、そして住宅耐震診断士だから造ることのできる家

日本の伝統の技と現代の科学を融合させる建築士

梅原郁夫

茨城県日立市の一級建築士 梅原郁夫さん
茨城県日立市の梅原材木店

#chapter1

天然の木は、家の手入れの時期を教えてくれる

 “一生ものの家”といううたい文句を目にすることがありますが、それはどの位の年月か考えたことはありますか?そして現在、私たちの多くは30年ほどで建て替えが必要な家に住んでいるのではないでしょうか?

 「私どもの建物に対する基本的な考えは、手を入れながら長持ちさせる、ということです」とは『梅原材木店』の3代目、梅原郁夫さんです。『梅原材木店』は地元で100年近く続く老舗。名前の通り、もとは材木屋を営んでいましたが、梅原さんのお父様の時代に建築業に乗り出し、今では、木材の仕入れから製材、設計、施工までを手がけています。

 「長持ちさせるには、建物の骨組みや土台などの構造部分がしっかりと作られている必要があります。その意味で、私どもは構造部分に使用する材料、構造材は集成材ではなく無垢材を使い、軸組工法で行います」。無垢材は1本の原木から切り出した木材。集成材とは寸法の小さな木のブロックを接着剤で固めて作る人工の木材です。集成材は種類が多く、価格も手頃なものからあり、何より強度や耐水性を調整・計算がしやすいので、広く建築に使われています。

 「集成材は強度などを統一規格にできる分、ダメになる時は一度に全部ダメになる傾向があります。それに集成材は、修繕(補修)方法が確立されていません。それでも、30年ほどで建て替えてしまう家には良かったかもしれませんが。対して、無垢材は全部強度が違うために、弱いところからダメになる。すると全部が一気にダメになる前に、ここを直してくださいと木が教えてくれるんですよ。そこを接ぎ木などの補修や補強をすることで長持ちさせられます」

 つまり、規格化住宅が嫌った木の個性こそが、手入れの時期を教えてくれ、それを適切に対処することで、本当の一生ものの家になるのです。

#chapter2

現代の科学と日本古来の木造建築の智恵を融合させる

 「現在の建築基準法は、工業化された建築材の為のもので、日本古来の木材建築の基準に合わせたものではありません」と梅原さん。「だから、経験を積んだ大工から見ると、逆に木の強度を弱めてしまうような補強が示されていることもあるのです。私どもは、建築基準法という現代科学と、日本古来より大工が培ってきた経験を融合させて家を作っています」

 このように言えるのは、梅原さんが一級建築士であり、同時に木造住宅耐震診断士でもあるからです。家業の3代目を期待されて進んだ大学で、耐震壁の研究をおこなっていた梅原さん。大学の勉強だけでは満足できず大学院の修士課程に進み研究を続け、修了後は大手ゼネコンで建築の現場に立ちました。

 「家業を継ぐ為に戻ってきて、木材のことは親父や大工の親方に教えてもらいました。現在は、私が描いた図面をもとに、親方の経験則を活かしたアドバイスを活かし材料を決めています。材料自体の見極めは、もともと材木店なので得意分野。リフォームも、見た目だけではなく、構造的にも補強をかけることできます。やはり、構造的に良いものを作っておけば、手を入れながら、それこそ100年もつ家になりますから」

一級建築士梅原郁夫さん 施工例

#chapter3

時を経て、家族の歴史を刻み美しさが増す天然の木

 天然の木を使い、昔ながらの在来工法(軸組工法)で、梅原さん自身の専門分野である耐震性を備えた梅原材木店が作る住宅の魅力は、まだ他にもあります。

 「規格化住宅とは違い、家を自由にデザインできる楽しみもあります。例えば、クラシックでエレガントな洋館のような家をという奥様の希望で、重厚なイメージのカリンの板張り、ストライプや花柄のクロスを選び、ご主人様は機能性と住み心地を重視したいということで気密性・断熱性を高めたり。また、家族を見守る大黒柱がほしいというおばあ様のご意向を受けて、リヴィングの真ん中に大空間を支える銀杏の大きな柱を配置したりするなど、ご家族の好みやライフスタイルを反映した家作りをしています。それに、工業製品を多用した住宅は建てた時が一番綺麗で10年20年経つと古ぼけますが、天然の木材の家は、時を経ることでさらに味わい深く美しくなります。家族の歴史が刻み込まれた、良い家となるのです」

 天然の木は、二酸化炭素を自らに固定させるので地球環境に貢献しているといえますし、何より人間の情緒を安定させ、子どもの本物を見る目を養いもします。「価格は、同じ値段の規格化住宅と比べればかなり良いものを作るということと、値段に対しての価値が高いということは自信を持って言えます」と梅原さん。温故知新、そんな美しい日本語が、まさに似つかわしい家ではないでしょうか。

(取材年月:2012年11月)

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梅原郁夫

日本の伝統の技と現代の科学を融合させる建築士

梅原郁夫プロ

一級建築士

梅原材木店

材木店としての材料の目利きと、大工の親方の経験則と腕、そして耐震における専門家としての現代科学を融合。天然の木の持つ良さが際立つ日本伝統の木造建築でありながら、最新の設計技術を備えた家ができます。

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