<歯科医が教える医院の裏側>大型医療法人歯科 VS 個人経営歯科
1.治療途中で歯医者を変える・・・転院は原則的に患者さんの自由です
これだけ沢山の歯科医院がありますから、治療内容に対する不満や不安があったり、自分に合わないと感じて転院されても、別のクリニックで治療を拒否されることは普通はないと思います。
私どもの立場からすれば、前医の治療内容や経過、使用した薬剤や材料の詳細までは分かりませんので、多少やりにくい場合もあります。
主治医以外の歯科医師の意見を聞く=セカンドオピニオンをご存知ですか?
他の歯科医院から転院されてくる患者さんに伺うと、歯科医院を変える理由として、医師の態度にご不満なこと、説明が十分になされていないことからの不安感をおっしゃる方が多いように思います。
要するにコミュニケーション不足なんです・・・
健康保険による保険診療主体の歯科医院では、1人の歯科医師が1時間に4~6名の患者さんの処置を行わないと採算性が合わないため、結構慌ただしく診療しています。従って十分に説明時間を確保できていないのが現実だと思います。本来は患者さんの方からも積極的に質問していただくのが理想ですが、説明し忘れや説明不足によって生じた不安や不満・・・解決されずに信頼関係が破たんした場合、納得して治療を受けていただくことが重要だと思いますので転院もやむをえないのかなと思います。
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2.ドクターショッピングは税金の無駄遣いです
ただし、医療機関に対するご不満でも、中にはご自分で自己診断された上で来院し、どこで仕入れた知識かは分かりませんが、ご自身が考えたシナリオ通りの診断や治療計画が担当医から提示されないことに不満な態度を表す方、ご自分が求めておられる薬を処方するように強く要求される方など、本来は医師の裁量の範囲のことが思い通りにならないことを理由に転院を繰り返す方も少なからずおられます。いわゆるドクターショッピングです。医療機関はその分儲かりますが、特別な事情があるケースでなければ、こうした理由の転院は単なる税金の無駄使いになると思いますので控えるべきでしょう。
3.歯の詰め物(インレー)、入れ歯などは全て手作りです
また、治療途中で通院を取りやめる場合、次回は修復物を装着する段階で、型取りまで済んでいる時にはできれば早めにキャンセルの連絡をお願いします。
おそらく歯科技工士さんが修復物の作製を開始しているかもしれません。使われることのない修復物を作らされる技工士さんが気の毒です・・・歯の詰め物、被せ物、入れ歯などは全て手作りで、技工士さんが丹念にオーダーメイドで作製しているモノです。型取りしたらオートマティックに出来上がるわけではありませんから。
「なるべく歯を削らない」は当たり前ですよね?!
転院することは患者さんの当然の権利ですし、長いお付き合いには担当医との相性やフィーリングも大切ですから、良いクリニック探しは否定しません。ただ、突然のキャンセルは予約制の医院の場合はその時間が空いてしまいますし、他の患者さんの治療機会を奪うことにもなります。次回の治療をキャンセルする旨をなるべく早めに電話連絡していただけると助かります。
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