歯肉(歯ぐき)が腫れたらどうする?歯科医師が解説する自分でできる応急処置とは?
1.歯医者の広告でありがちなフレーズ「なるべく削らない」
近頃は「歯医者はコンビニより多い」などと言われますが、歯科医院同士の競争も激しさを増しており、患者さんを獲得するため少し過剰とも思える色々な宣伝、アナウンスがなされています。
歯科医院のホームページを閲覧していると、よくあるキャッチフレーズに「なるべく削らない」、「なるべく抜かない」という文句が並んでいるのをしょっちゅう見かけます。私からすれば、これは至極当然のことであり、「どうしてそんな当たり前のことをわざわざ患者さんに向かって言うんだろう・・・?」って不思議に感じてしまいます。しかも「なるべく削らない」と謳っておきながら、診療設備を紹介するページにうんと小さな虫歯も発見してしまう「最新のむし歯発見器」が写真入りで紹介されてたりするのを見ると、「本音と建前は違うのかな・・・?」なんて訝しく思えてしまいます(笑)
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改めて言うまでもありませんが、歯にとって一番良いのは、歯の治療をせずにすむことです。また、歯の治療をしないで済ますためには、歯みがきと定期的な予防処置が大切となってきます。
2.むし歯も早期発見・早期治療??
さて、歯科医院増加の弊害なのか?自らの仕事を増やすための口実なのか?…「早期発見、早期治療」で虫歯を小さいうちに削って治せば、「削る量が少なくて済む!」、「簡単に治せるから…」などと説明し、早いうちに治すメリットや「放置しておくと大変なことになる・・・」と恐い話をして、実は本来治療の必要がない「虫歯になりかけの部分」や「歯の溝に入り込んだ黒い着色汚れ」まで削ってしまうセンセもおられるようです。そんな先生ばかりではない(と信じたい…)とは思いますが、明らかに過剰診療(=オーバートリートメント)と考えられる処置済みのケースに遭遇する機会がけっこうあるんです…同業者として大変残念に思う次第です。
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誤解がないように申し上げますが、穴が空いている小さなむし歯は大抵はちゃんと治した方がいいと思います。特に10代の若い方の場合は歯の表面が柔らかいため、虫歯の進行が早く深くなりやすい場合があります。また、普段の歯みがきが甘い人=清掃状況が悪い方の場合は早めに治療すべきでしょう。
しかし、虫歯はガンではありませんので「早期発見・早期治療」もほどほどにしておくべきです。
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早めの治療に異を唱えるつもりはありませんが、小さな虫歯をきれいに治せば問題ありませんけど、レジンというプラスチックの詰め方が雑だったり、金属の修復物が合ってなくて段差があったりすると、逆に修復することで汚れが溜まりやすく、新たな虫歯の元になったり、歯周病になり易い環境になるデメリットもありえます。
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普段の歯みがきも丁寧で、半年に1回ぐらいのペースで定期的に歯科医院でメンテナンスや検診を受けている方であれば、短期間に急激にむし歯が進行してしまうことは考えにくく、「小さなむし歯らしきもの」はもう半年ぐらい経過を観察し、様子を見るぐらいの余裕があっても良いのではないでしょうか?そういう部分も含めての「なるべく削らない」は共感できますし、つくばオーラルケアクリニックの診療理念の「処置は最小限に留め、予防に努める」に通じるところがあると思います。
皆さんも「自覚症状がない歯の治療」や「自分の目で見て確認できない歯の治療」に際しては、自ら積極的に現況や「治療の必要性」についての説明を担当医に求めるようにして下さいね。
つくば・土浦の歯科・口腔外科/インプラント治療の専門医
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