妊娠中の歯科治療③ 麻酔や痛み止め、抗生剤のリスクについて <歯科/口腔外科(茨城県)>

飯田裕

飯田裕

テーマ:歯科診療全般・歯科医・口コミ

1.妊婦さんへの歯科用局所麻酔薬の使用について




これってアレルギー?歯医者の麻酔で心臓がドキドキ 

 私たち医療者側も妊娠中の局所麻酔や外科処置は、緊張やストレスを与えることになるため、最小限にとどめたいものです。ただ、急性症状で重症化を招く場合、処置を行う上で、局所麻酔使用が必要となる場合があります。
 歯科領域で使用される麻酔薬(キシロカイン)は通常の使用量で催奇形性が認められるものはなく安全に使用できます(この局所麻酔薬は、無痛分娩にも用いられています)。むしろ痛みを我慢するとストレスになることを考えると、安定期には適切に使用した方がよいと思われます。

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2.妊娠中の痛み止めや抗生剤の内服について

 なるべくなら妊婦さんには投薬はしません。なぜなら、全く影響がない薬などこの世に一つもなく、実際にデータも取りようがないので、薬の添付文書には必ず妊娠中は避けるように明記されています。ただし、痛みなどの症状がひどい場合は、我慢することが逆にお腹の赤ちゃんに悪い影響を与えることがありますし、化膿して腫れている場合など、放置した場合の母体のリスクも考慮して、必要があれば産婦人科の担当の先生と相談した上で投薬します。

歯科で頻用される鎮痛剤「ロキソニン」について

 この場合は当然のことながら、適切なタイミング、使用量、期間を十分考慮し、経験上で妊娠中や授乳中でも比較的安全に使用できる(とされている)抗生剤(化膿止め)、消炎鎮痛剤(痛み止め)を用います。
 一般的に歯科で頻用されるセフェム系抗生剤は「臍帯や授乳中に分泌されにくく、胎児・乳児への移行が少ない」とされ、鎮痛薬で最も安全性が高い薬剤はアセトアミノフェンとされています。アセトアミノフェンは鎮痛効果はイマイチな気もしますが、催奇形成、機能障害の危険が少なく、体外排泄時間が早いことから、小児の鎮痛解熱剤としても使用されています。

歯科でよく使われる抗生剤「ジスロマック」は画期的なお薬です

 当然のことながら、一番好ましいのはこういった状況にならないように、妊娠をお考えの女性は普段から歯科医院で定期検診を受けるなどして、事前に万全の準備をするのがおすすめです。妊娠中は他にも気を配らなければならない事項も沢山あるかと思いますので、早めの受診をお願いいたします。

妊娠中の歯科治療① 治療が可能なタイミングは?

つくば・土浦の歯科・口腔外科/インプラント治療の専門医
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飯田裕
専門家

飯田裕(歯科医)

つくばオーラルケアクリニック

東京医大病院、東京共済病院などで口腔外科診療や手術を担当。放射線科でCTの画像診断、麻酔科で全身麻酔の研修を修了。この経験を生かしてインプラントの的確な事前診断、手術を実践。

飯田裕プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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