<歯科医師が解説>セカンドオピニオン??治療途中で歯医者を変えるのは…(歯医者選び)
1.歯科医院はコンビニより多い?!
近頃は「歯医者はコンビニより多い」とか「歯科医師はworking poor」などと言われるようになり、歯科医師、歯科医療の供給過剰が指摘されるようになりました。(※写真の地図中のポイントは全て歯科医院を示します。)
(※写真の地図中のポイントは全て歯科医院を示します。)
私はどちらと言うとマイペースで「我が道を行く」タイプでありながらも、同業者の動向は全く興味がないわけでもなく、街中の宣伝広告やHPなどは面白いのでついつい気にして見てしまいます(笑)。
歯科医院同士の競争が激化しているからか、他との差別化を図ろうとするあまり、無理に特徴を出そうとかなりユニークな広告や、本来必要のない豪華な設備をウリにしている医院、日本でずっと診療していたはずなのに、いつの間にか欧米の大学でキャリアを積んだような経歴を誇る先生方・・・患者さんからの信頼を得るのに「ずいぶんとご苦労されているなあ・・・」と他人事ながら感心しますし、同時にそのアピールの仕方と内容にはかなり違和感を感じます。
「医療もサービス業?!」の新常識に感じる違和感
ここから先は一般の方=患者さん向けに、個人的な意見として同業者の先生方よりクレームやご批判を頂くことを覚悟で書きますので、先生方はお願いですから読まないで下さい(笑)。
2.歯医者の宣伝広告で気をつけていただきたい事項
2-1.治療費の安さを前面にアピールする広告は信用しない。
言うまでもありませんが、医療で大切なのは安全性と確実性です。ファストフードではないのですから、安さや早さは二の次です。薄利多売方式では治療が雑になるに決まってますし。
インプラント治療の歯医者の選び方 ~激安にご用心~
現時点においてベストと思われる治療法で、経験豊富な歯科医師と医療スタッフが慎重に治療にあたることが、予後を決定づけるのです。別の表現で申し上げれば、医学的な根拠に基づいた診断と治療計画で、丁寧に治療をしてもらえる医療機関を選びましょう。
2-2.最新の設備や豪華な内装に騙されない。
私が東京医大病院の研修医だったころ、街の歯医者さんでCTを読める先生はほとんどいませんでした。あえて申し上げれば、レントゲン写真の読影もあやしい感じの先生が多かったような・・・汗)
当時、すでにCTが普及して10年以上経過し、口腔外科の診療になくてはならないものでしたが、高価な機械ですし、歯の治療にはほとんど必要とされていませんでした。ところが今では宣伝に熱心な歯科医院では必ずと言ってよいほど「歯科用CT完備」などとうたっています。ちょっとひがみもあるんですがね(笑)。
「歯科用CTで安全にインプラント」の落とし穴
がん治療などにおいては、たしかに新薬や最新の治療法や治療機器が予後の決め手になる場合もあります(たとえば高度先進医療に指定されている治療など)。ただ医療機器を使うのは人間ですから・・・設備があっても使いこなせるかどうかは別の問題ですよね。
他にもいろいろあるんですが、批判がたくさん来るとコワイのでこの辺にしておきます。以上、私が医療に携わる者として患者さんや一般の方に申し上げたいのは、派手な宣伝広告に踊らされることなく、誠意をもって対応してくれる歯科医師を見つけ、長いお付き合いしていくことが大切だということです。
これだけ歯科医院がありながら、みんな潰れずに診療していますし、患者さんでいつも混んでいる歯医者さんも沢山あります。日本人はどうしてこんなに歯が悪いのでしょう??食生活のせい?それともお口の健康に対する意識が低いから?全く歯医者の世話にならずに過ごせる人は少数派だと思いますから、歯医者選びや歯科医院選びはとても重要ですよね?!
いろいろ聞きやすいことや気軽に通院できること、フィーリングが合う先生かどうかは重要なポイントです。皆さんも患者さんの不安、苦痛、疑問などから逃げずに向き合ってくれる「いつもの歯医者さん」を早く見つけてくださいね。
つくば・土浦の歯科・口腔外科/インプラント治療の専門医
つくばオーラルケアクリニック http://www.tsukuba-occ.com/
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