<医学博士が解説>歯科の感染防御対策① 器具の滅菌について
アステラス製薬とファイザーから販売されている比較的新しい痛み止めの「セレコックス®錠」(一般名:セレコキシブ)が、歯科でも抜歯後の痛み止めとして2011年12月より保険適応になり、使えるようになりました!
これまでは変形性関節症や、関節リウマチの痛みを和らげる目的で、整形外科などですでに使用されていた本剤ですが、新たに「抜歯後の消炎(炎症を抑える)や鎮痛に効果的である」ということで、厚生労働省が使用目的を追加承認したことによります。
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1.ロキソニンはボルタレンに比べて胃が荒れにくいが…
従来の痛み止め=非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)との違いを一言でいえば、「胃が荒れない」という点に尽きます!
歯科医院でよく処方される痛み止めとしては、ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)やボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)が一般的です。いずれも効果の発現が早く、鎮痛効果も強いため、歯を抜いた後や歯痛に対して頻用されています。ただし、ボルタレンは強い鎮痛効果と引き換えに、胃が荒れるなどの副作用が出ることで知られ、空腹時の内服は避けた方が賢明です。消化器内科の学会発表で見られる臨床的なデータでは、報告者によりばらつきが見られるものの、「2週間ボルタレンを内服し続けた後、内視鏡検査で12~20%の患者さんに消化性潰瘍などの胃粘膜の異常が見られた」とする知見がございます。
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一方でロキソニンは「比較的胃の粘膜が荒れにくい」とされ、現在のところ、「最も使用されている消炎鎮痛剤」と言われております。患者さんにも広く認知され、実際にお飲みになった方も多いと思いますが、全く胃腸に影響しないわけではありません。これは痛み止めが「痛みをブロックする作用」と、「胃の粘膜を修復するのを邪魔する作用」が同じプロセスで起こるために、痛みを止めると胃が荒れてしまうのです。
2.ロキソニンとセレコックスを比較すると…
こうした痛み止めが本来持っている欠点を解消した薬が「セレコックス」です。
日本医科大学の消化器内科の教授、坂本氏の学会発表では、ロキソニンを2週間飲み続けた患者さんのグループと、セレコックスを同じく2週間飲み続けた患者さんのグループを、内視鏡検査で比較したところ、有意にセレコックスの方が十二指腸潰瘍の発生率が低かったとしています。
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セレコックスはロキソニンと同等かそれ以上の鎮痛効果があり、なおかつ胃腸にトラブルが少ない痛み止めと言えそうです。当院ではすでに親知らずの抜歯後の患者さんや、インプラント治療後の患者さんに処方していますが、実際にお飲みになられた患者さんの評判も良く、お薬の値段が少し高めなことを除けば、優秀な痛み止めと言えそうです。深く埋まった親知らずの抜歯後などで強い痛みが出ると予想されるケースや、胃腸の弱い患者さんは、担当医の先生と相談してお試しになってみてはいかがでしょうか?
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