Mybestpro Members

久保郁プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

【第7回】作業を細分化すると、外注すべき工程と本当のコストが見えてくる

久保郁

久保郁

テーマ:飲食店を運営する

飲食店や施設給食の現場では、「仕込みが大変」「人が足りない」と感じていても、実際にどの作業にどれだけ時間とコストがかかっているかまでは、見えにくいことがあります。
大切なのは、作業をひとまとめに考えず、工程ごとに細分化することです。
たとえば魚の場合、
・原魚の受け取り
・うろこ取り
・内臓処理
・三枚おろし
・腹骨取り
・皮引き
・柵どり
・スライス
・小分け
・包装
・冷凍
・片付け、清掃
といった工程に分けられます。
野菜でも、
・洗浄
・皮むき
・カット
・下茹で
・スチコン加熱
・冷却
・小分け
・急速冷凍
・片付け、清掃
というように分解できます。
ここで重要なのは、調理そのものだけでなく、前後の作業も含めて考えることです。
例えば、魚をおろす作業が30分だったとしても、準備、まな板や包丁の洗浄、シンクの清掃、ゴミ処理まで含めると、実際には45分から60分かかっていることもあります。
時給1,250円で考えると、1時間の作業は1,250円です。
これが毎日発生すると、
1日1時間 × 月25日 = 25時間
25時間 × 1,250円 = 31,250円
となります。
つまり、毎日1時間の仕込み作業は、月に3万円以上の人件費を使っている計算になります。
さらにここには、求人コスト、教育コスト、作業ミス、ケガのリスク、設備維持、廃棄ロスは含まれていません。
たとえば、かぼちゃのカットや硬い根菜の処理は、単に時間がかかるだけでなく、ケガのリスクもあります。魚の下処理も、慣れた人でなければ時間がかかり、品質にばらつきが出やすい工程です。
さらに見落とされやすいのが、光熱費です。
魚や野菜の下処理を現場で行う場合、洗浄に使う水、下茹でや加熱に使うガス・電気、冷却や保管にかかる電力など、細かな光熱費が発生しています。
1回ごとの金額は大きく見えにくいですが、毎日積み重なると無視できないコストになります。
たとえば、野菜の下茹でや魚の加熱工程を一部外部で済ませることで、
・水道使用量の削減
・ガス、電気使用量の削減
・厨房内の熱気の軽減
・冷却や清掃にかかる負担の軽減
につながります。
光熱費は人件費ほど見えやすい数字ではありませんが、減れば確実に利益に残るコストです。
作業を外に出すことで、人件費だけでなく光熱費の圧縮につながる可能性もあります。
このように作業を細かく分けると、「本当に現場でやるべき作業」と「外に出した方がよい作業」が見えやすくなります。
たとえば、
・三枚おろしまでは外注する
・皮引きまで外注する
・柵どりまで外注する
・野菜は洗浄、皮むきまで外注する
・硬い野菜だけカット済みにする
・一部はスチコンで8割加熱済みにする
といった判断がしやすくなります。
外注加工は、単価だけを見ると高く感じることがあります。
しかし、作業時間、光熱費、ロス、ケガのリスクまで含めると、実際には現場の負担を減らし、総コストを抑えられる場合があります。
重要なのは、「全部を外注するか、全部を自社でやるか」ではありません。
どの工程を自分たちで行い、どの工程を外に出すのか。
その線引きをすることです。
作業を細分化することで、現場の負担、人件費、ロス、ケガのリスク、設備維持費、光熱費まで見えるようになります。
そして見えるようになると、改善すべき場所も明確になります。
仕込みが大変だと感じている現場ほど、まずは一度、作業を工程ごとに書き出してみることをおすすめします。
現場に合わせた具体的なご相談も可能です。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
https://uolabo.com/
#飲食店経営 #施設給食 #業務効率化 #コスト削減 #厨房改善

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

久保郁
専門家

久保郁(生鮮卸売業)

株式会社うおラボ

産地直送の仕入れ力と丁寧な加工技術で、調理工程の省力化に役立つ半製品を提供。調理現場における人と物の動きの効率化を追求し、売上増でも現場を疲弊させない持続可能なオペレーションを提案します。

久保郁プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

人手不足時代を支える水産加工オペレーション設計のプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫のビジネス
  4. 兵庫のビジネスその他
  5. 久保郁
  6. コラム一覧
  7. 【第7回】作業を細分化すると、外注すべき工程と本当のコストが見えてくる

久保郁プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼