【第2回】人手不足でも魚メニューを続ける方法
病院や保育園、介護施設などの給食現場では、限られた人員の中で、決められた時間内に安定した食事を提供する必要があります。
そのため、味や栄養バランスだけでなく、作業効率やオペレーションの安定性が非常に重要になります。
特に負担になりやすいのが、魚や野菜の下処理です。
魚の切り分けや骨取り、野菜の洗浄や皮むき、カットといった作業は、一つ一つは単純でも、積み重なると大きな時間と人手を必要とします。
こうした作業は、人手不足の原因になるだけでなく、現場の負担を増やし、作業のばらつきや事故のリスクにもつながります。
例えば、かぼちゃのカットのように力が必要な作業は、包丁が滑るなどの事故につながりやすく、実際に現場ではケガが発生しやすい工程の一つです。
こうしたリスクは見えにくいものですが、
・作業の中断
・人員不足
・シフトの再調整
といった形で、結果的にコストとして現場に影響します。
つまり、
◎効率だけでなく、安全性も含めて設計する必要がある
ということです。
こうした課題に対して有効なのが、下処理や加工を前工程で行うという考え方です。
例えば、
・野菜の洗浄、皮むき、カット済みでの納品
・スチコンで8割程度まで加熱した状態での納品
・急速冷凍で保存性を高めた状態での納品
といった方法があります。
これにより、
・現場での作業時間の削減
・人手不足への対応
・作業の標準化
・事故リスクの低減
につながります。
また、魚についても、
・切身
・骨取り
・用途別カット
といった形で、現場で使いやすい状態にすることで、同様の効果が期待できます。
ここで重要になるのが費用対効果の考え方です。
一見すると、加工済みの食材は単価が高く見えますが、実際には現場全体のコストで考える必要があります。
例えば、じゃがいもを例にすると、
原体仕入れ:450円/kg
可食部:約70%
→ 実質コスト:約640円/kg
さらに、
・洗浄
・皮むき
・カット
といった作業が発生します。
これに1日1時間かかっている場合、
1時間 × 20日 = 月20時間
時給1,250円換算 → 25,000円
仮に月100kg使用した場合、
原体使用
640円 × 100kg = 64,000円
+人件費 25,000円
→ 合計 約89,000円
一方で、加工済み(仮に800円/kg)の場合、
800円 × 100kg = 80,000円
◎約9,000円の差
さらに、
・廃棄ロス削減
・作業スペース確保
・教育コスト削減
・求人コスト削減
・属人化リスク低減
といった要素を含めると、実際の効果はそれ以上になるケースも多くあります。
ここで重要なのは、
◎「安く買う」ではなく「楽に回す」
という視点です。
すべてを外注する必要はなく、
・手間のかかる工程だけ外に出す
・人手が足りない時間帯の作業だけ任せる
・野菜だけ、魚だけ部分的に導入する
といった使い方でも、十分に効果が出ます。
施設給食では、安全・安定・効率のバランスが求められます。
その中で、仕込みや下処理の一部を外部で対応することで、無理なく回る体制をつくることができます。
現場を見直す際は、
・どこに時間がかかっているのか
・どこにリスクがあるのか
・どこを外に出せるのか
という視点で考えることが重要です。
負担の大きい工程を整理するだけでも、現場は大きく変わります。
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