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【第6回】施設給食の工数削減と費用対効果

久保郁

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病院や保育園、介護施設などの給食現場では、限られた人員の中で、決められた時間内に安定した食事を提供する必要があります。
そのため、味や栄養バランスだけでなく、作業効率やオペレーションの安定性が非常に重要になります。

特に負担になりやすいのが、魚や野菜の下処理です。
魚の切り分けや骨取り、野菜の洗浄や皮むき、カットといった作業は、一つ一つは単純でも、積み重なると大きな時間と人手を必要とします。

こうした作業は、人手不足の原因になるだけでなく、現場の負担を増やし、作業のばらつきや事故のリスクにもつながります。

例えば、かぼちゃのカットのように力が必要な作業は、包丁が滑るなどの事故につながりやすく、実際に現場ではケガが発生しやすい工程の一つです。
こうしたリスクは見えにくいものですが、

・作業の中断
・人員不足
・シフトの再調整

といった形で、結果的にコストとして現場に影響します。

つまり、

◎効率だけでなく、安全性も含めて設計する必要がある

ということです。

こうした課題に対して有効なのが、下処理や加工を前工程で行うという考え方です。

例えば、

・野菜の洗浄、皮むき、カット済みでの納品
・スチコンで8割程度まで加熱した状態での納品
・急速冷凍で保存性を高めた状態での納品

といった方法があります。

これにより、

・現場での作業時間の削減
・人手不足への対応
・作業の標準化
・事故リスクの低減

につながります。

また、魚についても、

・切身
・骨取り
・用途別カット

といった形で、現場で使いやすい状態にすることで、同様の効果が期待できます。

ここで重要になるのが費用対効果の考え方です。

一見すると、加工済みの食材は単価が高く見えますが、実際には現場全体のコストで考える必要があります。

例えば、じゃがいもを例にすると、

原体仕入れ:450円/kg
可食部:約70%
→ 実質コスト:約640円/kg

さらに、

・洗浄
・皮むき
・カット

といった作業が発生します。

これに1日1時間かかっている場合、

1時間 × 20日 = 月20時間
時給1,250円換算 → 25,000円

仮に月100kg使用した場合、

原体使用
640円 × 100kg = 64,000円
+人件費 25,000円
→ 合計 約89,000円

一方で、加工済み(仮に800円/kg)の場合、

800円 × 100kg = 80,000円

◎約9,000円の差

さらに、

・廃棄ロス削減
・作業スペース確保
・教育コスト削減
・求人コスト削減
・属人化リスク低減

といった要素を含めると、実際の効果はそれ以上になるケースも多くあります。

ここで重要なのは、

◎「安く買う」ではなく「楽に回す」

という視点です。

すべてを外注する必要はなく、

・手間のかかる工程だけ外に出す
・人手が足りない時間帯の作業だけ任せる
・野菜だけ、魚だけ部分的に導入する

といった使い方でも、十分に効果が出ます。

施設給食では、安全・安定・効率のバランスが求められます。
その中で、仕込みや下処理の一部を外部で対応することで、無理なく回る体制をつくることができます。

現場を見直す際は、

・どこに時間がかかっているのか
・どこにリスクがあるのか
・どこを外に出せるのか

という視点で考えることが重要です。

負担の大きい工程を整理するだけでも、現場は大きく変わります。

#飲食店経営 #施設給食 #利益改善 #業務改善 #人手不足対策 #厨房オペレーション

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久保郁
専門家

久保郁(生鮮卸売業)

株式会社うおラボ

産地直送の仕入れ力と丁寧な加工技術で、調理工程の省力化に役立つ半製品を提供。調理現場における人と物の動きの効率化を追求し、売上増でも現場を疲弊させない持続可能なオペレーションを提案します。

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