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【第4回】養殖魚をもっとおいしく使う方法

久保郁

久保郁

テーマ:飲食店を運営する

飲食店で魚メニューを安定して出すうえで、養殖魚はとても使いやすい食材です。

マダイ、ハマチ、カンパチ、シマアジ、ブリ、ヒラメなどの養殖魚は、年間を通して仕入れやすく、サイズや品質も比較的安定しています。

天然魚のような季節感や個体差も魅力ですが、毎日の営業で安定して魚メニューを組むためには、養殖魚の存在は欠かせません。

一方で、飲食店の現場では、

「毎回同じような刺身になってしまう」
「養殖魚特有の脂の香りが気になる」
「二日目になると食感が弱く感じる」
「魚メニューに変化を出しにくい」

といった悩みもあります。

しかし、養殖魚は使い方を少し工夫するだけで、印象を大きく変えることができます。

その代表的な方法が、炙り、塩〆、昆布〆です。


養殖魚は「安定している」からこそ使い方が大切であり

養殖魚の強みは、安定して仕入れやすいことです。

サイズ、脂の乗り、歩留まりが読みやすいため、飲食店にとっては原価管理がしやすい魚です。

特に、人手不足の現場では、毎日魚の状態が大きく変わるよりも、ある程度規格が安定している方が使いやすくなります。

ただし、安定している反面、提供方法が同じになりやすいという課題もあります。

たとえば、マダイは刺身、ハマチは刺身、カンパチも刺身、ブリは焼物や刺身というように、使い方が固定されてしまうと、メニューに変化が出にくくなります。

そこで重要になるのが、魚種を増やすことだけではなく、同じ魚をどう変化させるかという考え方です。


炙ることで、養殖魚特有の香りは抑えるかとができる

養殖魚を使うときに気になることのひとつが、脂の香りです。

魚種や状態にもよりますが、養殖魚は脂がをのせている分、その香りが前に出ることがあります。

そのような場合に有効なのが、表面を軽く炙る方法です。

炙ることで表面の脂が軽く溶け、香ばしさが加わります。

この香ばしさによって、養殖魚特有の脂の香りがやわらぎ、食べたときの印象が良くなります。

特に、ブリ、ハマチ、マダイなどは、炙りとの相性が良い魚です。

刺身としてそのまま出すだけでなく、一部を炙りにするだけでも、盛り合わせの印象は大きく変わります。

同じ魚でも、

生の刺身
炙り刺し
塩たたき風
薬味をのせた炙り
カルパッチョ風
セビーチェ
昆布〆

というように、提供方法を変えることで別メニューとして見せることができます。


二日目の魚も、炙りで食感を出しやすい

魚は仕入れた当日だけでなく、保存状態や魚種によっては翌日の方が味が落ち着くこともあります。

ただ、時間が経つと身がやわらかく感じたり、表面の水分が気になったりすることがあります。

そんなときにも、炙りは有効です。

表面を軽く炙ることで、表面がしまり、食べたときに食感を感じやすくなります。

もちろん、鮮度が落ちた魚をごまかすという意味ではありません。

きちんと保存管理された魚を、状態に合わせて一番おいしく提供するという考え方です。

たとえば、

初日は刺身
翌日は炙り刺し
残りは漬けや焼物
さらに余ればまかないや惣菜

という流れを考えておくと、魚を無駄にしにくくなります。

魚メニューでは、仕入れた魚をどう使い切るかがとても大切です。


軽く塩を当てるだけで、味はまとまりやすくなる

炙りと合わせて使いやすいのが、塩です。

魚に軽く塩を当てることで、余分な水分が抜け、味がまとまりやすくなります。

水分が多い状態で炙るよりも、軽く塩をして表面を整えてから炙る方が、香ばしさも出やすくなります。

大切なのは、塩辛くするのではなく、魚の水分を整えることです。

刺身用の薄いカットであれば、軽く塩をして数分置くだけでも印象が変わります。

柵の状態であれば、軽く塩を当ててから水分を拭き取り、炙ってからカットする方法もあります。

マダイなら昆布茶を少し混ぜた塩、カンパチなら柑橘や山椒、ブリなら生姜や柚子胡椒、シマアジなら塩とオイルなど、魚に合わせて味を組み立てることもできます。

塩、薬味、炙り方を変えるだけでも、魚メニューの幅はかなり広がります。


加工で魚メニューはもっと扱いやすくなる

飲食店で魚を扱うとき、一番大きな負担になるのは仕込みです。

魚を仕入れて、うろこを取り、内臓を出し、三枚におろし、皮を引き、柵にして、刺身に切る。

この作業をすべて店舗で行うには、時間も技術も必要です。

さらに、焼物用、煮付け用、揚げ物用、刺身用と分けて仕込むとなると、人手不足の現場では大きな負担になります。

そこで大切なのが、加工をうまく使うことです。

たとえば、

三枚おろしまで済ませる
皮引きまで済ませる
柵どりまで済ませる
刺身用にスライスする
焼物用に切身にする
煮付け用に霜降りまで行う
密封パックする
急速冷凍で在庫できるようにする

このように、必要なところまで加工しておくことで、店舗側の作業を大きく減らすことができます。

魚を扱ううえで大切なのは、すべてを店舗でやることではありません。

店舗でやるべき作業と、外部で済ませておいた方がよい作業を分けることです。


ポーション化すると、原価管理もしやすくなる

魚メニューで利益を出すためには、使う量を決めることが重要です。

刺身を何グラムで出すのか。
焼魚を何グラムで出すのか。
弁当用の切身を何グラムにするのか。
コース料理の一品として何グラム使うのか。

ここが決まっていないと、同じメニューでも日によって原価が変わってしまいます。

たとえば、刺身一人前を40gにするのか、60gにするのか、80gにするのかで原価は大きく変わります。

一方で、あらかじめポーションを決めておけば、売価設計がしやすくなります。

40gなら小皿料理。
60gなら単品メニュー。
80gならしっかりした一皿。
30gならコース料理の前菜。

このように用途に合わせて規格を決めることで、魚はかなり扱いやすい食材になります。

魚は原価が読みにくいと思われがちですが、規格化すれば原価管理はしやすくなります。


急速冷凍を組み合わせると、ロス削減につながる

魚は鮮度管理が重要な食材です。

そのため、仕入れた分をその日のうちに使い切れなければ、ロスにつながることがあります。

しかし、加工と急速冷凍を組み合わせれば、必要な分だけ使いやすくなります。

たとえば、柵どりした魚を密封パックして急速冷凍する。
炙りまで済ませて急速冷凍する。
切身にして急速冷凍する。
煮付けや焼物用の半製品として急速冷凍する。

このような形にしておけば、飲食店側では予約数や来客数に合わせて使いやすくなります。

急な注文、コース料理、弁当、宴会、あと一品ほしいときのメニューにも対応しやすくなります。

冷凍というと、品質が落ちるイメージを持たれることもありますが、適切な処理と急速冷凍を行えば、飲食店の現場では大きな武器になります。

大切なのは、ただ凍らせることではなく、使う場面を想定して加工してから凍らせることです。


養殖魚は、工夫次第でメニューの主力になる

養殖魚は、ただ安定しているだけの魚ではありません。

炙り、塩、薬味、カット、加工、急速冷凍を組み合わせることで、飲食店にとって非常に使いやすい食材になります。

たとえば、

マダイの炙り刺し
カンパチの塩たたき風
ハマチの薬味ポン酢
ブリの炙りカルパッチョ
シマアジの軽い塩締め
ヒラメの昆布茶塩仕立て
養殖魚の押し寿司
魚の切身弁当
炙り魚のコース前菜

など、同じ魚でも見せ方を変えれば、メニューの幅は大きく広がります。

魚種を増やすだけでなく、同じ魚をどう使い分けるか。

これが、飲食店で魚メニューを続けるうえで大切な考え方です。


うおラボでは、魚を使いやすい形まで整えます

うおラボでは、魚を仕入れて納品するだけではなく、飲食店や施設の現場で使いやすい形まで考えたご提案を行っています。

三枚おろし、皮引き、柵どり、スライス、切身加工、霜降り、炙り、密封パック、急速冷凍など、用途に合わせた加工に対応できます。

魚を一から仕込む時間がない。
魚メニューを増やしたい。
養殖魚をもっとおいしく使いたい。
ロスを減らしたい。
原価を管理しやすくしたい。
人手不足でも魚料理を続けたい。

そのようなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

魚を届けるだけでなく、現場で使いやすい形まで整えて届ける。

それが、うおラボの水産卸としての役割です。

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久保郁
専門家

久保郁(生鮮卸売業)

株式会社うおラボ

産地直送の仕入れ力と丁寧な加工技術で、調理工程の省力化に役立つ半製品を提供。調理現場における人と物の動きの効率化を追求し、売上増でも現場を疲弊させない持続可能なオペレーションを提案します。

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