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脳梗塞後のうつ状態

辻上周治

辻上周治

テーマ:産業保健

3年前に脳梗塞で倒れましたが、治療の甲斐あって職場復帰している
方があります。復帰後は手足の麻痺は業務をするのには問題ないほど
に回復しており、実際に問題ない状態になっていました。彼は40代
の男性社員です。管理職でしたが、復帰後は仕事に対する意欲がなく
なっており、職場をまとめるのも難しい状態でした。

産業医として2年前にも面談して、『うつ状態』と判断して専門医の
受診をすすめましたが、本人が拒否されており通院されませんでした。
その後に降格となり、職場が変更となりました。業務負担は軽くなって
やり易くなるのではと想像していましたが、ほとんど業務意欲は変わり
ませんでした。今年の6月頃より、これまでよりもますます表情が悪く
なっていると聞きましたので、産業医面談実施しました。産業医判断
としては『うつ病の疑い』として、専門医受診を今回は約束しました。

1か月後の面談では、見違えるほど生き生きとしており、表情がかなり
良くなっていました。薬が著効したようです。しっかりと眠れており、
食欲も戻っていました。この苦しかった2年間が嘘のように‥。

もっと早くに専門家受診を強要するべきだったのかもしれません。
反省です。

脳梗塞後のうつ状態でも改善するものですから、諦めずに治療しましょう。

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辻上周治
専門家

辻上周治(医師)

つじがみクリニック

主治医と産業医とは同じ医師ですが、立場が違います。産業医は本人だけでなく会社からの情報(上司や職場の周囲からの情報)も入手して意見を出します。産業医は中立的立場での見解・意見を提示できるのが強みです。

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