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認知症の相談で

辻上周治

辻上周治

テーマ:在宅医療

外来に家族の認知症で悩まされている50歳の女性が来られました。
最近、家族の物忘れに困っているようでどうにかならないかとのこと
でした。ご本人は来院されておらず家族からの情報収集のみでしたので
次回受診時には御本人の受診に同行してもらうようにお願いしました。

 約2か月後に、前回と同様、ご家族(50歳の女性)がひとりで受診され
ました。外来に入られると、家族の認知症に悩まされていると初診の
ように初めから話が始まりました。カルテを照らし合わせると、少し前回
の内容と違うことがちらほらあります。『今日は、ご家族は来られなかった
ようですね』との問いに、『初めなので私だけで相談に来ました。家族の
物忘れの症状が病気の可能性があるようでしたら、次に受診させます。』
と返答されました。
 看護師さんに『この方は私の外来に以前に来られたが、他の先生にも診て
もらったことありますか?』と聞きました。看護師さんは『あの方はいつも
家族の相談に来られますけど、家族は来ません‥』と教えてくれました。
 対象は急転回して、相談に来られた女性とゆっくり話をしました。彼女には
睡眠障害もあり、ご本人は周囲が物忘れが酷いとの訴えで家族だけではなく
友人まで物忘れがひどいので困っているとのことでした。忘却がひどいのは
御本人のようでした。
 その後、精密検査をすすめ若年性アルツハイマー型認知症と診断に至りました。

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辻上周治
専門家

辻上周治(医師)

つじがみクリニック

主治医と産業医とは同じ医師ですが、立場が違います。産業医は本人だけでなく会社からの情報(上司や職場の周囲からの情報)も入手して意見を出します。産業医は中立的立場での見解・意見を提示できるのが強みです。

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