休職の手引き④
私自身は主治医である患者様に対して、産業医を兼ねることはしていません。
主治医と産業医は立場が違いますので、意見・見解が不明確になってしまい
企業・職場へ迷惑を掛ける可能性があるからです。
実際に困っておられる企業の人事・労務担当があります。
産業医契約している医師がおられるのに、当クリニックがメンタル相談(復職
面談の依頼)を受けることが増えてきています。主治医、兼、産業医となると
どうしても復職判断のハードルが低くなりがちで、会社として人事としては
困っているとの相談です。
ひとりの医師が、主治医としては復職可能だが、産業医としての意見は復職は
時期尚早と説明すると患者様(兼、労働者)や職場も混乱するでしょうし、
私はどうもうまく立ち回れそうにありません。産業医としての意見をしっかりと
提示するためにも、ひとりの方の主治医と産業医を兼ねることは避けるのが
いいと思っています。
在宅医療の対象者で、主治医の立場で復職の診断をしないといけない場合が今後は
あるかもしれません。在宅勤務への復職です。想定できるのは癌ターミナル患者様や
ALSの患者様ですね。難しい問題です。大いに悩みそうです。勉強します。
辻上周治