【経営者・管理職向け】「育て方がわからない…」を超える-部下の強み発見から始める1on1-

「なんでもできるオールラウンドな人材を目指そう」
——そんな考え方が、実は非効率であることをご存じですか?
個人が全てを完璧にこなすことは不可能であり、
それぞれの強みを活かして補い合うことこそが、
最高の成果を生むチームの条件です。
本コラムでは、個人ではなく
「チームでオールラウンドを目指す」ことの重要性と、
リーダーが果たすべき役割について解説します。
1、個人のオールラウンドは無意味?その理由とは
① すべてをこなせる「万能な個人」は存在しない
「営業もできて、事務も得意で、マーケティングの知識も豊富で、チームマネジメントも完璧」
——そんな人材は理想的ですが、現実にはほとんど存在しません。
なぜなら、人にはそれぞれ得意・不得意があり、
すべてのスキルを高いレベルで備えることは難しいからです。
オールラウンドな個人を目指すデメリット
×時間と労力がかかりすぎる
→ すべてのスキルを完璧にするには、多大な努力が必要
×得意な分野が埋もれる
→ 本来の強みを発揮する時間が減り、成果が出にくくなる
×成長スピードが遅くなる
→ すべてを少しずつ学ぶより、特定の分野で深く学んだ方が成長が速い
「万能でなくてもいい」
——むしろ、一人ひとりが自分の強みを活かし、
チームで補い合うことこそ、最強の成果を生み出すカギなのです。
② しかし、チームではオールラウンドが必要な理由
個人でオールラウンドを目指すのは無駄ですが、
チーム全体でオールラウンドを実現することは、組織の成功に不可欠です。
オールラウンドなチームがもたらすメリット
・どんな課題にも対応できる
→ それぞれの得意分野を活かして、柔軟に対応可能
・チームの生産性が向上する
→ 各自の強みを活かすことで、業務効率が飛躍的にアップ
・イノベーションが生まれる
→ 多様な視点やスキルが組み合わさることで、新しいアイデアが生まれやすい
たとえば、プロサッカーチームを想像してみてください。
全員が「攻撃も守備も完璧」な選手である必要はありません。
- 得点力のあるフォワード
- ゲームを組み立てるミッドフィルダー
- 守備の要となるディフェンダー
- 最後の砦となるゴールキーパー
それぞれの役割を果たすことで、
チーム全体が機能し、勝利へと導かれるのです。
2、リーダーの役目は「適材適所のチームをつくること」
リーダーが果たすべき3つの役割
最高の成果を出すチームをつくるために、
リーダーは何をすべきか?
① チームメンバーの個性と強みを理解する
-リーダーの仕事は、「チームのメンバーをよく知ること」から始まります。
- ストレングスファインダーなどを活用し、各自の強みを把握する
-日々の業務の中で「得意なこと・苦手なこと」を観察する
-1on1ミーティングで、メンバーの希望や適性をヒアリングする
「この人は、どんな時に一番輝くのか?」
この問いを意識することで、適材適所のチームをつくることができます。
② 強みに合わせて仕事を割り振る
従来の「仕事に人を合わせる」発想ではなく、
「人に仕事を合わせる」発想が重要です。
例えば、こんな役割分担
- コミュニケーションが得意なメンバー
→ クライアント対応やプレゼン担当
- データ分析が得意なメンバー
→ 戦略立案やマーケティング分析
- チームをまとめるのが得意なメンバー
→ プロジェクトリーダー
「一人で何でもできる」必要はなく、
お互いの強みを活かして補い合うことが、最高の成果につながるのです。
③ チーム内の「助け合い文化」を育てる
個々の強みを活かすだけではなく、
「助け合うことが当たり前の文化」をつくることも、リーダーの役目です。
助け合いを促進するための仕組み
-メンバー同士の強みを可視化し、共有する(強みマップの作成)
-「誰が何を得意としているのか?」を知る場を設ける(ワークショップやミーティング)
-「ありがとう」の文化をつくる(感謝を伝える場を定期的に設ける)
「自分の強みを活かしながら、足りない部分は仲間と補い合う」
これができるチームは、圧倒的な成果を生み出します。
3、まとめ:「個人の万能」を求めるのはやめて、チームで最強を目指す
×旧時代の発想
「すべての仕事をこなせるオールラウンドな個人が理想」
○ 新時代の発想
「個人の強みを活かし、チーム全体でオールラウンドを目指す」
リーダーがすべき3つのこと
1. メンバーの個性と強みを理解する
2. 強みに合わせて仕事を割り振る
3. 助け合いの文化を育てる
リーダーの本当の仕事は、「メンバー全員にオールラウンドを求めること」ではなく、
適材適所の配置で最強のチームをつくることです。
あなたのチームも、「チームでオールラウンドを目指す」
新しいマネジメントで、最高の成果を生み出しませんか?



