一番安く家を手に入れる方法

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:住宅

物価が上がっている近年ですが、家の建築価格はそれにも増して高騰しています。

住宅建築価格が今後どうなるのかについてはわかりませんが、少なくとも今家を必要としている人、特に若い子育て世帯にとっては頭の痛いことでしょう。

そこで今回は、どうにかして安く一戸建ての家を手に入れる方法を考えてみたいと思います。


安い建て売り住宅を探す

まず最初は建売住宅です。

住宅
建売住宅というと「注文住宅より安物の家」だと思う人が多いかもしれません。

実際、注文住宅に比べると建売住宅はかなり安くなっています。

大手ハウスメーカーと比較するなら、同じ大きさの家であれば半額近い値段で購入することも可能です。


建売住宅が安い主な理由は、

住宅設備、内装仕上げなどが安い
ユニットバス、キッチン、トイレなどの住宅設備、窓やドアなどの建具、壁紙や床材などの仕上げ材は量産品で実勢価格が安いものを選んで使う。

凝った設計はしない
決まった施主がいないのですから打ち合わせもほとんどありません。
シンプルで無難な設計ですから時間も手間もあまりかかりません。

施工も手間をかけない
発注元も業者で、大体似たような仕様で作ることが多く、手慣れた施工になります。
現場の管理は比較的緩く、ここにも手間がかかりません。

その他、何軒も一気に建てる場合などがあり、そうなると量産効果も生まれてきます。


一番気になる点は、「手抜き工事されていないか」という点だと思いますが、これについては業者に依るとしか言いようがありません。

可能であれば、建築中に現場を見にいき、施工状況を確認できると安心です。
(施工現場を見せてくれるだけでも、安心できる業者と言えるかもしれません)


2025年4月に建築法の改正があり、2階建て以上の家に「構造計算の義務づけ」、そして「断熱性能の確保義務」が必須になりました。

今後建築される建売住宅については、かなり性能が高くなると思って貰っていいですね。
(その分、値段は高くなりそうですが)


格安ハウスメーカーはどうか?

具体的な会社名は出しませんが「○○万円の家」とかを売りにしている住宅メーカーですね。

家づくり
見積をとって貰えるとわかりますが、大手ハウスメーカーに比べると「格安」をPRしている業者の家は、かなり安くなる(数百万円?)ようです。

格安ハウスメーカーが安い理由は幾つかあると思いますが、主なものとしては、やはりプランを限定することでしょうか。

間取りプランを減らして幾つかに限定し、建具や内装などの選択肢も減らして価格を抑えます。

シンプルな家づくりは熟練した作業員も必要ありませんし、現場の管理も楽になります。

営業も現場監督も若い人が多いイメージですね。

高度な技術者、職人を使ってあの値段になるわけはないので、そこはしょうがないでしょう。


欠点を挙げるとすると、プランが限定されるので土地を選ぶこと。

変形地、傾斜地などは向いていないと思います。


品質については・・・値段相応なのではないでしょうか。

先程も書きましたが、建築法の改正により、この分野の家も今後少しずつ高くなってくると思います。


中古住宅をリフォーム・リノベーション


リフォーム
リフォームについては「築浅を購入してなるべくそのまま住む」か「建物に資産価値がないような古い家を購入し大規模にリフォーム・リノベーションする」かですね。


築浅物件については、不動産価格の相場がきちんと反映されますので、特別な「掘り出し物」のような物件はないと思います。

大規模リフォーム・リノベーションについては好みの家に仕上げられる可能性があり、楽しい家つくりになるかもしれませんが、当然費用がかかります。

水廻りを含む全面リフォームであれば、1000万円以上の予算は必要だと思います。


古い家の中には耐震性、防水性などの基本性能が疑わしいものも多くあります。

見た目だけでなく、安心して住む家に作り替えるようにしましょう。


リノベーション住宅がお買い得になるかどうかは・・・一概にはいえません。

購入前に改修プランと予算を計算した上で契約してください。

リフォームローンが使えるかどうかも重要ですね。


新古住宅とは


新築でつくられたが、売れ残った家。

法律上、新築住宅とは建設工事の完了から1年以内で人が住んだことのないものとなっていますので、いくら新しくても建築後1年を過ぎたものは「新築住宅」とはなりません。


前に住んだ人がいない新古住宅は新築同様といえるかもしれませんが、

・新築住宅ローンが使えない

・住宅品質確保法による10年の保証が受けられない

などの欠点があります。


・・・そもそも売れ残ったのは何か理由があります。

・建売で売れ残った
 →業者の値段設定、販売方法に問題があった?

・注文住宅に入居しなかった
 →施主か施工業者、どちらかに問題がある

購入前に売れ残った理由を、納得するまで聞いておくようにしましょう。


そもそも「新古住宅」というのは、そんなに物件が出てくる訳ではありません。

上記のデメリットを理解した上で、納得できる価格(格安物件)であればお買い得な家かもしれません。


異種リノベーション


小さなオフィスビル、倉庫、店舗ビルなどに住む方法。

これはかなり高難度の住宅購入になりますね。

リノベーション
このリノベーションの利点は、以下のようなものがあります。

・オフィス、倉庫、店舗などの建物は構造的にしっかりしている可能性が高いこと

・立地が良い物件が多いこと

欠点は、

・工事には手間がかかること。特に水廻り。

・窓が少なく、陽当たり、通風確保が難しいこと

などです。

ビルを住宅にするのですから、非常に難しい設計、施工になりますが、唯一無二の面白い家ができる可能性はあります。

実現するには手間がかかりますので、やる気のある人向きの家づくりですね。


最後の手段はセルフビルド?


セルフビルドについては過去にコラムに何回か書いています。

たとえば・・・

【参考コラム】セルフビルド

【参考コラム】ハーフビルド

このあたりを読んで頂ければわかりますが、簡単にまとめるなら、

セルフビルドは家を自分でつくることを楽しみたい人向け

であって、

コスト削減を目的にするのセルフビルドは無理がある

と考えてください。


まとめ


都市部の住まいについてもう一つの選択肢はマンションになります。

しかし戸建て住宅には騒音などを気にしなくてもいい、普通のファミリー向けマンションより広いなどの利点があります。

特に子育て世帯にとっては、この「あまりまわりを気にしなくていい」というのは大きなメリットなのではないでしょうか。

家づくり
近年、戸建て住宅の建築価格は相当高くなっています。

様々な方法を選択肢に入れて、この住宅高騰を乗り切ってください。

また具体的な物件について何か疑問点があれば、お気軽に御相談ください。

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Mybestpro Members

浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士、コンクリート診断士、マンション管理士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

浅井知彦プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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