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浅井知彦プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

共働きのための家を建てる

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:神戸、芦屋、西宮で家を建てる

今回のコラムは、共働き家庭のための家についてです。


今まで住宅の設計を行ってきた中で、何度か共働きの方の家を担当させて頂きました。

共働きの方の家の設計において家族からの要望は様々でしたが、共通しているのは、住む家に対する要望が具体的であることでした。

具体的な要望をいただくことはプランニングを進めていく上で非常に役に立ちますし、設計側にもいろいろな気付きがありました。


今回は、今までいただいた要望、設計に取り入れた設備や仕様の中で、「共働き家庭に役に立ちそうなこと」を挙げていきたいと思います。


共働きの家といっても、家族構成や生活習慣によって、様々な違いがあります。

このコラムのすべてが役に立つとは限りませんが、参考になる部分がありましたら、是非、設計に取り入れて貰えればと思います。



◇日常の買い物動線をシンプルにすること

共働き家庭の場合、日常の買い物は「纏めて行う」ことが多いようです。

この「なるべく休みの日に一気に買い出しをして、ストックを保管しておく」という生活習慣の場合、玄関からモノを運ぶ動線、モノを保管する場所が重要になってきます。

・車での買い物が多い家庭の場合、車から玄関まで距離を短くする

・雨の日でも車から傘をささずに玄関に移動できること
(屋根付きガレージがおすすめ。ビルトインガレージだと、なお良い)
ビルトインガレージ
・食料品をストック出来る場所を確保すること
(キッチンにはパントリーがおすすめ)

・トイレットペーパーなど、消耗品置き場は、大量買いでも対応できるように、ざっくりと広めに確保する。

・玄関からリビングダイニングまでの距離は長くなりすぎないように。

・廊下はなるべく短く、合理的な間取り。
シンプルな買い物動線のプランニングでは、このあたりがポイントになりますね。


【参考】ビルトインガレージ/屋外収納

【参考】【キッチンにこだわった家作り】収納にこだわる



◇洗濯を楽にする

家事を行う時間も限られますから、時間を選ばずに洗濯できる環境が好まれています。

・夜に洗濯機を動かしても大丈夫
(音が気にならない)

・天気を気にせず洗濯物を干せるような、室内物干し付き洗濯室を作る

・乾燥能力が強力な、ガス乾燥機が便利

洗濯室
洗濯については、特に子供のいる家庭では重視される項目です。

折角家を建てるのですから、洗濯がストレスにならないような家が良いですね。

【参考】個人的にお勧めする洗濯用品【ガス乾燥機/室内物干し】



◇掃除を楽にする

合理的な家事という意味では、掃除を楽にすることも考えて良いと思います。

そのためには

・床をフラットにする。床暖房、作り付け収納などで床にモノを置かない

が有効です。

フラットでモノを置かない部屋は、お掃除ロボットも使いやすくなります。

その他の対応としては、

・なるべくヨゴレの溜まらない内装仕上げ、設備を選ぶ
→水回りのタイル張りは掃除が大変
→コテ跡のある塗り壁は埃が付く

このあたりは、「見た目より実用性を重視」ということになりますね。



◇食洗機をフル活用する

これについては、過去にコラムを書いておりますので、参考にしてください。

【参考】【キッチンにこだわった家作り】食洗機にこだわる



◇不在時が多いことへの対応

共働き家庭は、どうしても家を不在にする時間が長くなります。

不在への対応策として、以下のようなことが考えられます。

・宅配ボックスの設置

マンションだけなく、最近では戸建て住宅での設置も普通になってきました。
宅配ボックス
特に共働き家庭では、重宝する設備です。

・不在時の安全性の確保

ホームセキュリティを設置する方も増えています。

新築時に設置すれば、配線などもやりやすいので取り付けもスッキリ納まり、導入費用もお得になります。

道路から見えない場所に窓を設置しない、換気小窓は人が入れないサイズにするなど、設計上の対応も重要です。



◇家族のコミュニケーション

リビングなどに「家庭内掲示板」として、「マグネットボード」「コルクボード」「ホワイトボード」などを設置することもあります。

特に子供のいる家では重宝される設備です。



◇隠すこと

これも子供のいる家庭でのことになりますが、リビングや玄関などに「隠す」機能があると便利です。
ロフト
写真のリビングでは、ロフト部分が子供の遊び場です。

ロフトはリビングからは直接見えませんので、子供がおもちゃを散らかしていても判りません。

玄関収納
玄関の裏にシューズクローゼットを作っています。

このように、玄関の裏側に収納を設置すれば、ベビーカーや汚れた子供靴、サンダルなどを隠すことが出来ます。




新しく住み始める家では、その家族の新しい生活が作られていきます。

毎日の生活は、モデルハウスのようにいきません。

マンションやモデルハウスの広告をみると
「家族のコミュニケーションを育てるインテリア・・・」
「憧れの生活・・・」
「理想の暮らし・・・」
のようなイメージ先行、ポエムのような文言が並んでいます。

しかし、生活とは「現実」です。

いくら格好いいインテリアでも、不便な家に住むのは不満が溜まります。


特に共働きの家庭では、如何に「楽をする家」か、「快適にする家」か・・・このあたりがポイントです。

忙しい毎日ですから、是非、ストレスのない生活が行える家を建てて下さい。


  ◇ ◇ ◇


家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


 ◇ ◇ ◇


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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

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