スタイリッシュなキッチンをつくりたい【キッチンにこだわった家作り】
キッチンにこだわった家作り、今回は業務用キッチン、プロ仕様のキッチンについて書いていきたいと思います。
前回までは、こちらです。
【キッチンにこだわった家作り】食洗機にこだわる
【キッチンにこだわった家作り】収納にこだわる
【キッチンにこだわった家作り】コンロにこだわる
業務用キッチンを使いたい
住宅を設計していると、料理好きの方から「業務用キッチンを使いたい」という要望を受けることがあります。
確かに、業務用キッチンといえば、
・シンプルで丈夫。飽きないデザイン。
・合理的な作りで作業スペースが広い。
・掃除しやすい。ステンレスの質感が良い。
など、料理にこだわる人にとって、使ってみたいという要素が幾つもあります。
本気で料理を楽しみたい人であれば、デザイン重視の住宅用システムキッチンより質実剛健、本格派の業務用キッチンに興味があるのは当然かもしれませんね。
住宅で業務用キッチンを使う場合の問題点
私も今までの住宅設計の中で、住宅のキッチンに「業務用キッチン」を入れてみるという検討を行ったことが何度かあります。
しかし、意外にもこれにはなかなか難しいハードルがありました。
業務用キッチンと家庭用キッチンの違いには、以下のような点があります。
水栓が付いていないものが多い
厨房の水栓は壁付けの場合が殆どで、基本的に業務用キッチンのシンクには水栓が付いていません。
従って、住宅用水栓では一般的なシャワー水栓、伸縮水栓などに対応していません。
収納が少ない
業務用キッチンの下部は、大型の調理器具を置けるオープン棚になっているものが殆どで、家庭用サイズの調理器具を置くのには向いていません。
また、扉のないものが多く、埃が付きやすくなっています。
食器や調味料など、細かいものを収納する場所がないのも不便です。
足下に水を流すことが前提
厨房の床はコンクリートなど出来ていて、これは水を流して掃除することを前提に作られているものです。
そのため、フローリングなどの住宅の床に業務用キッチンを置くと、床にキズが付きますし、見た目にも違和感があります。
プロ仕様のオーダーキッチン
上記のように、本物の業務用キッチンをそのまま使うのであれば、配管や床仕上げまで「厨房仕様」に変更する必要があり、一般家庭ではなかなか難しい面があります。
このような場合、業務用キッチンの利点「シンプルで丈夫」「スペースが広く、料理しやすい」を生かした「プロ仕様に近いオーダーキッチン」を選ぶという方法もあります。
写真は業務用キッチンの大手メーカー、タニコーが作っている「一般家庭用オーダーキッチン」です。
素材はオールステンレス、サイズや仕様はフルオーダーで製作しますので、好みのものを作ることが出来ます。
業務用キッチンと同じメーカーが作っていますので、「プロ仕様に近いキッチン」を家庭で使うことが出来ます。
プロ仕様の調理器具
業務用キッチンにおける調理器具には、基本的にビルトインの調理器具はあまり使われず、取り替えが自由な「置き型設置タイプ」が選ばれています。
置き型の調理器具は家庭用システムキッチンのようにすっきりとは納まりませんが、サイズや商品を自由に選べますし、故障したときの取り替えも容易です。
また、機器の値段もビルトインより少し安くなるのも利点です。
たとえば、
写真はリンナイのガスオーブンです。
こういう大きめのガスオーブンを使いたい場合、普通の家庭用システムキッチンより、業務用に近いキッチンの方が適しています。
写真は大阪のステンレスキッチンメーカー、シギタのキッチンです。
この会社は自社でステンレスを加工して作っておりますので、オールステンレスキッチンであれば、様々な要望に応えてもらえます。
(私も自宅で使っています)
設計者に相談しましょう
「業務用に近いキッチン」を幾つか紹介しましたが、実際にこれらの設置するには広めのスペースが必要だったり、水、ガスなどの配管取り回しに事前準備が必要だったりと、設計上難しい面もあります。
また、基本的には「一品もの」のオーダー品ですので、事前に完成品を確認出来ないこと、値段が結構高いことなどもあります。
それでも「本格的な料理をしたい」「プロ仕様に近いキッチンが欲しい」という方には、検討して貰う価値が充分にあると思います。
このような「プロ仕様のキッチン」を希望される方は、是非、設計事務所にお問い合わせ下さい。