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オフィスビルを賃貸住宅にリノベーションする

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:住宅

今回のテーマはリノベーション、特にオフィスビルを賃貸住宅に用途変更するリノベーションについて書いていきます。

工事前
☆店舗ビルを住居にリノベーションした例・・・工事前の写真



賃貸収益物件の中でも、オフィスビルは景気に左右され需要と供給のバランスが崩れやすく、収益が安定しません。

また、今後の長期的な需要を考えると、少なくとも関西では、それほど見通しが明るいとは言い難いと思います。

実際、大阪、神戸などの都心部の再開発では、今までオフィスビルのあったところにマンションが建てられるケースが多く見られます。

景気の変動の影響を受けやすく、また、大型新規物件が好まれるオフィスビルに比べると、賃貸住宅、特に交通の便利な都心部の住居は、今後も安定した収入が見込める分野といえます。

解体中
☆店舗ビルを住居にリノベーションした例・・・内部を解体、撤去しました



一昔前まで、住居として人気の立地といえば「静かで環境の良い」場所だと言われてきました。

子供のいる家族であれば、今でも、手ごろな価格で、緑が多く、静かな郊外の住宅に人気が集まるのかもしれません。


しかし最近、単身者、夫婦2人の家庭などを中心に、都心回帰の傾向が強くなってきました。

結果として住宅の需要全体をみていると、交通利便性が良く、生活の便利な「都心の住居」に人気が集中してきているように思います。

特に、賃貸住宅では、この「都心立地」は非常に大きな魅力な物件条件になります。

工事中
☆店舗ビルを住居にリノベーションした例・・・内装工事中の写真



建物をリノベーションの素材と考えた場合、オフィスビルの強みは何といっても立地です。

殆どのオフィスビルは、都会の最寄り駅から徒歩圏にあります。

これは賃貸住宅を探している人からすると、大きなメリットです。


また、もうひとつオフィスビルの利点と挙げるとすれば、「構造の安定性」でしょうか。

建築基準法で規定された床の設計載荷荷重から考えると、事務所が2.9KN/㎡、住宅は1.8KN/㎡となっています。

つまり、元々オフィスビルの方が、より重い荷重に耐えられるよう設計されているのです。

この構造上の強みは、住宅へのリノベーションを行う上で、非常に有利な条件となります。

完成
☆店舗ビルを住居にリノベーションした例・・・完成写真



賃貸物件としての「商品価値」を考えた場合、築年数の古いオフィスビルは、それだけで敬遠されるかもしれません。

しかし、賃貸住宅にリノベーションすることで、ビルは「新規リノベーション物件」「デザイナーズ住宅」となり、建物本体の築年数はあまり重視されなくなります。

最近では「レトロビル人気」もありますので、築年数より中身で選ばれる可能性が高くなります。

エントランス
☆店舗ビルを住居にリノベーションした例・・・エントランスホール



実際に古いビルのリノベーション工事を行うと、配管や電気の配線の引き直し、窓の位置の変更など様々な困難が立ちはだかります。

築年数の古いビルでは、建築当時の設計図面が失われていることも多く、役所に提出する書類を揃えることも一苦労になってりします。


どういう住宅にリノベーションするのかについては、手間も時間もアイデアも必要になってきます。

すべてのビルが収益性の高い、素晴らしい賃貸住宅にリノベーション出来ると、安易に言い切ることは出来ません。

しかし、空室が出て収益性の下がったビルをそのままにしておくのであれば、思い切って賃貸住宅へのリノベーションを検討されても良いのではないでしょうか。

オフィスビルの賃貸住宅へのリノベーションをお考えの方がいらっしゃいましたら、お気軽に御相談下さい。


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家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

浅井知彦プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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