屋上緑化、屋上庭園。実際に5年住んでみました。
屋上緑化のお話、続きです。
※前回のコラム
屋上緑化、屋上庭園。6年目の経過報告【メリットとデメリット、維持費、断熱性】
前回も書いたとおり、屋上緑化は充分に実用的な「第二の庭」として使えると思います。
土地の狭い都会では、貴重なプライベートスペースと言えるでしょう。
この思いは6年間使ってみて、実感しています。
一方、実際に6年使ってみて、屋上緑化で「失敗」しそうなパターンも幾つか思い当たるようになりました。
今回は、実際に自分が感じた中で、奥寿緒を活用しきれない、「失敗」しそうな例を幾つか挙げてみます。
◆屋上までが登りにくい階段になっている
元々、屋上というのは、日常の生活動線には入っていないところです。
屋上に上がっていくルートが急な外階段や梯子になっている場合、次第に屋上に行かなくなり、折角の屋上庭園が荒れ果てる可能性があります。
更に雨の日に行き辛い、物を持って登れない場所では、行くのが億劫になります。
屋上庭園への階段は、たとえ簡易的なものでも、登りやすいものにしておく必要があります。
※「生活動線に近い庭」という意味では、1階の屋根に広いルーフテラス、ルーフガーデンをつくるのも良いかもしれません。
リビングと繋げたり、洗濯物を干したりするスペースに使えれば、有効活用できると思います。
◆屋根勾配が急である
屋根には水勾配が不可欠ですが、人が歩くのに困難な程の勾配屋根では、たとえ緑化しても危険が伴います。
「草屋根」のような屋上緑化は傾斜屋根でも実現出来ますが、「屋上で遊ぶ」ことが出来なくなります。
◆メンテナンス出来ない形状
上記2つにも繋がることなのですが、メンテナンスが困難な屋上では、緑化はお勧めしません。
屋上の植物は生き物ですから、成長もするし、枯れ葉も出ます。
土が流れて排水口が詰まることも、あるかもしれません。
いつでも状態が確認出来て、メンテナンス可能な屋上でなければ、状態の維持は困難でしょう。
◆木造の家
屋上の利用で一番怖いのは、漏水、雨漏りです。
木造住宅の場合、漏水、雨漏りは、構造材の腐食など、家の安全性に致命的なダメージを与えます。
元々、木造住宅では、雨対策として屋根勾配は大きくつくられています。
そのため、なるべくフラットな屋根形状が求められる屋上庭園との相性は良くありません。
木造住宅での屋上緑化は、あまりお勧めしません。
木造住宅のバルコニー。
木造住宅でもバルコニーのある家が増えましたが、同時に漏水の問題も無い訳ではありません。
最近は、商業ビルやオフィスビルの屋上にも、緑豊かな庭を作ることが増えてきました。
緑の少ない都会では、屋上庭園は貴重なくつろぎのスペースになっています。
写真は、自宅のガーデニング施工をお願いした大阪の屋上庭園工事会社「グリーンプラザ」さんの自社ビルです。
これらの屋上庭園には、専門のガーデニング業者が付いています。
毎日の水やり、定期的な手入れなど、専門の業者、担当者がメンテナンスを行うことで、美しい庭が維持されています。
自宅では、住む人自身が、メンテナンスを行うことになります。
屋上緑化は、出来たときが完成形ではありません。
植物は育ちますし、枯れることもあります。
折角の「屋上庭園」なのですから、日々の生活の中に「屋上で遊ぶ」という楽しみを、組み込んで貰えればと思います。
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http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/25680/
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