アプローチメインのラウンドレッスン
先日のラウンドレッスンを解説したいと思います。
Sさんのスウィングですが、前回のものと比較しながら進めていきましょう。
左が前回。右が今回のものです。
(赤い線は本来あるべき位置。青い線は実際の位置。紫の線は注目していただきたいポイントを示しています)
左の6と右の1では、グリップの位置が違うことがわかりますね。
6の方が低く、1の方が高い位置にあります。そのため、6では既左肩よりも下に下がってしまっているヘッドが1では左耳の上あたりまでしか来ていません。
これはSさんがあれ以来練習を積まれ、右ひじのヒンジング(曲げ)を早くすることができるようになったからです。
ウェイトの載り方も1の方がしっかりと乗っています。
7と2ではヘッドの位置が違います。
もちろん両方とも上げすぎなのですが、2の方がしっかりヒンジングできているため、勢いが強く、そのためウェイトは右に載りながらもより大きなトップになっています。
ただ行き過ぎているため、切り返しで左に突っ込み気味になっていますけどね(笑)
8と3の比較では、これはもう説明しなくても明らかに違いが出ています。
8ではフェースが開いて、しかもコックがほどけて下りてきているのに対して、3ではしっかりとタメができています。
ウェイトシフトも遅れ気味ではありますが、傾かずにしっかり左に引っ張れています。
9ではスウィングセンター(のどの下。ネクタイの結び目あたり)とグリップ、ヘッドが一直線になってしまっておりヘッドスピードも上がらないですが、4ではこの部分が改善されています。
4について少し詳しく解説しますと、体重は青の①にありますがもっと改善されれば赤の①にまでシフトできるようになります。そして紫の線で囲ったグリップの位置も、もっと体の正面に近くなります。そうすると、青の②にあるシャフトも赤の②にまできます。いわゆる『ヘッドが走った状態』になるのです。
ほんのわずかの差しかないように見えますが、実際にはステップアップするための大いなるチャレンジがなされているのですよ。
大ダフリは挑戦の過程なのです(笑)
10ではきれいに体が廻っているように見えますが、実際には後ろに傾いています。
だから左のつま先は開いていないのですが、体重の軸がクロスしてしまっています。
5では4の時のウェイトシフトが左に流れ気味だったため、体重が右に残り左のつま先が開いています(紫の線で囲った部分)
ただ前述したとおり、今回の方がヒンジングが早くなり、回転軸がコンパクトになってきているため勢いがあります。
11よりも6の方が廻りすぎているのはその影響でしょう。
Sさんは、少しずつ良くなってきています。
この小さな改善の積み重ねが、実は上達への近道なのです。
一足飛びに上手くなるような魔法はありません。
一歩ずつ継続していく以外に上手くなる道はないのです。