揖保乃糸の歴史!播州そうめんづくりはここから始まった!
「揖保乃糸」には厳正な基準が設けられていて、ランクがあります。小麦の違いや熟成などさまざまなこだわりが帯によってわかります。素麺以外に冷や麦やうどん、中華麺などがあることをご存じない方も多いと思いますので、ぜひご紹介したいと思います。
手延べそうめん「揖保乃糸」のランクを示す帯の種類について
「揖保乃糸」は原材料、小麦粉の質、麺の細さ、製造時期などの違いにより厳格にランク分けを行っています。
ランクの種類は、最高級から順に「三神」「特級」「縒りつむぎ」「播州小麦」「熟成面」「上級」「太づくり」となっています。
帯の色でいうと、黒は「三神」と「特級」、紫は「縒りつむぎ」、緑が「播州小麦」、金は「熟成面」、赤は「上級」、赤紫「太づくり」です。
最高級品の「三神」は、厳選された原料と小麦で作られており、組合が指定した数軒しかない熟練者によって製造されたもので、製造量もごくわずかしかありません。しかも12月下旬から翌年2月上旬と限られた期間内に製造しています。麺の細さは0.55mm~0.6mmと「揖保乃糸」のなかで最も細く仕上げられています。
「特級」は、iTQi国際結流味覚コンテストにおいて「優秀味覚賞」を6年も連続で三ツ星を受賞した製品です。「三神」と同じく熟練者によって製造されています。麺の細さが0.65mm~0.7mmと「三神」より少し太いのですが、それでもかなり細いので、のど越しの良さとコシの強さが優秀なそうめんです。
「縒りつむぎ」は、国内産の小麦を使用し、ほどよい弾力とモチモチとした食感が特徴です。麺の細さは0.7mm~0.8mmです。ひょうご五国と言われる摂津、播磨、丹波、但馬、淡路らしさを全国にアピールするイベント「五つ星ひょうご」で選出されました。
「播州小麦」は、原材料の小麦にこだわりがあり、粘りが特徴の小麦「ふくほのか」と弾力がある小麦「ゆめちから」をブレンドした播州小麦を使用しています。麺の太さは0.9mm~1.1mmです。小麦の旨みとモチモチ感が魅力です。
「熟成麺」は、厚生労働省認定の国家資格「製麺技能士」の有資格者が製造した手延べ素麺です。麺の細さは、0.7mm~0.9mmです。製造後に1年間ほど組合専用倉庫で丁寧に熟成させたもので、「ひね」になります。コシが強く歯ごたえを楽しめます。
「上級」は、「揖保乃糸」の中で一番歴史のある帯の手延べ素麺で、価格の割に美味しいので全生産量の85%を占めています。麺の細さは0.7mm~0.9mmです。「上級」もiTQi国際結流味覚コンテストにおいて「優秀味覚賞」を6年も連続で三ツ星を受賞しています。
「太づくり」の麺の細さは1.1mm~1.5mmと「揖保乃糸」の中で一番太い素麺です。北海道産の小麦「きたほなみ」を使用しています。ほかの「揖保乃糸」と比べると少し太なので噛み応えがあります。
「揖保乃糸」の手延べそうめんバチとは
そうめんバチとは素麺を製造する際に、上下の2本の管にかけて約2mに延ばした時に両端の棒に巻かれている部分のことです。既定の長さに切断した時にできるのですが、三味線の「ばち」の形に似ていることが名前の由来です。別名で「めんかんざし」とも呼ばれています。
お吸い物やおみそ汁などに入れて食べるので、素麺とはひと味違った味わいが楽しめ、珍味として地元の人や食通の人から好まれています。
製品になるのは粘りの強い下管の部分だけなので、生産量が限られています。
揖保乃糸には手延べひやむぎ、手延べうどん、中華麺があるのを知っていますか
「揖保乃糸」は手延べ素麺だけではなく、その技術を活かしたひやむぎやうどん、中華麺も製造しています。
手延べひやむぎ「揖保乃糸」は、冷や麦専用の小麦粉が使用され、ソフトな舌触り。麺の細さは1.3〜1.7mmと素麺よりやや太いので、歯ごたえがあります。そして、さっぱりとした味わいを楽しめます。赤と青の2色の色麺も入っているので彩りも鮮やかです。
手延べうどん「揖保乃糸」は「聖(ひじり)うどん」「手延べうどん」「宝播(たからばん)うどん」の3種類あります。
「聖うどん」は麺を平たく仕上げており、小麦粉の旨みを引き出したうどんです。長時間煮ても煮崩れしやすいので、お鍋や釜揚げ、煮込みうどん、冷やしうどん等幅広いメニューにおすすめです。
「手延べうどん」は小麦粉をゆっくりと練り上げて、熟成を重ねているのが特徴。舌触りとコシの強さが味わえます。
「宝播うどん」は究極の美味しさを追求し、「揖保乃糸」ならではの伝統製法で麺の幅が3.6㎜、麺の厚さが0.9㎜に仕上げられています。つるりとした食感となめらかな口当たりが魅力です。
手延べ中華麺は「揖保乃糸 龍の夢」という商品名です。中華麺独特の風味と食感を出すために厳選した小麦を使用し、独自の配合で調整したものです。「揖保乃糸」の伝統製法をもとに、工夫と改良を繰り返し、熟成を重ねて仕上げた手延べ中華麺です。
このように「揖保乃糸」は多彩なラインナップがあります。さまざまなランクの素麺を食べ比べたり、ひやむぎやうどん、中華麺などもぜひ味わってみてください。