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美味しいそうめんを食べたい人に『ゆで方』を教えます!

安藤康典

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テーマ:素麺の美味しい食べ方

素麺をおいしくいただくためには、ゆで方が大きく影響してきます。大きなお鍋にお湯をたっぷり沸かし、火加減、ゆで時間、もみ洗いなどの各工程を経ることが大切です。素麺の風味を損ねず、おいしくいただくために、今回はゆでるポイントをご紹介します。

素麺をゆでるときはたっぷりのお湯で

素麺をおいしいくゆでるために大切なのは、お湯の量です。大きなお鍋に、たっぷり沸かすようにしましょう。

素麺100g(2束)に対して、お湯は1リットル以上を用意してください。お湯の量は素麺の10倍の重さが目安です。

素麺は塩分が多いので、お湯にお塩を入れる必要はありません。余計な塩分を取り除くために、たっぷりのお湯で熱を伝えることが必要です。素麺は、十分にお湯が沸騰してから入れましょう。

お湯をたっぷりと沸かす理由は、ゆでるお湯が少ないと麺同士がくっついてしまうからです。そして、素麺のゆで具合にばらつきが出てしまい、粉っぽい状態に仕上がる可能性があります。

素麺をたくさんゆでたい場合、お鍋に一度に麺を入れてしまうのはよくありません。鍋を2つにしたり、回数を分けてゆでることをおすすめします。作るときは熱くて大変かもしれませんが、2つのコンロで同時にゆでるのがいいでしょう。

コンロがひとつしか使えないなら、毎回お湯を捨てずに、ゆでた素麺をお箸で引き上げて冷水に移し、先に器に盛り付けた後、残りのお湯に水を追加して沸騰させ、2回目をゆでるといいでしょう。
こうすると一からお湯を作るより、時間を短縮してたくさんゆでることができます。

無理をして一度に大量にゆでてしまうと、素麺に対してお湯の量が不十分になり、おいしく仕上がりませんので、たっぷりのお湯でゆでることを心がけてください。

また、素麺を生麺のような食感にゆでる裏技があるのでご紹介しますね。乾麺の素麺をゆでる前に、流水で数秒水をかけて湿らせるだけ。その後、たっぷりのお湯でゆでると、生麺に近い食感になります。

ゆでる時間は1分半~2分が目安

たっぷりのお湯が沸騰したら、素麺の束をとり、扇形に広げて鍋に入れましょう。そして、麺と麺がくっつかないように菜箸で軽くかき混ぜます。

その後もつい菜箸で混ぜたくなりますが、麺がほぐれたら混ぜるのはやめましょう。お湯が沸く対流に任せておくだけで大丈夫です。

ゆでる時間ですが、素麺を冷やしで食べる場合は1分半~2分ほどが目安です。ゆでた後に加熱調理をする場合は50秒~1分ほどです。

素麺を入れた後は、強火ではなく素麺が対流でくるくる回る程度の日の強さにします。そして、再び沸騰したら吹きこぼれない火加減に調節します。素麺は吹きこぼれやすいので目を離さないようにしてください。もし吹きこぼれそうになったら火を止めましょう。

吹きこぼれそうになったら、ソバをゆでる時のように差し水をしたくなるかもしれませんが、素麺は麺が細いので必要ありません。

また、素麺はパスタとは違ってゆで時間をきっちりするから美味しいというものではありません。表示時間も1分半~2分と幅があるのは、その時の季節や気温、湿度、保存状態にもよるからです。

そろそろゆであがりそうと思ったら、菜箸で少しすくって食べてみて芯がなければゆであがりです。にゅうめんや加熱調理にする場合は少し芯が残っていても大丈夫です。

素麺の美味しいゆで方のポイント3 流水ともみ洗い

素麺がゆであがったら素麺をザルにあげて、流水で素麺をもみ洗いします。その時に氷を入れることがポイントです。氷水で冷やすことでコシの強い素麺に仕上がります。

流水や氷水にすることによって温度が上がらないようにし、素麺の粗熱を取り除きます。素麺に熱が残っていると、時間通りにゆでたとしても麺がのびてしまうからです。

ここで注意したいのは冷やすスピード。麺をあげてから氷を冷蔵庫から取り出すのではなく、麺を上げる前に氷を用意しておきましょう。

急激な温度変化があることで麺が締まります。ここで時間が掛かってしまうと素麺がどんどん伸びてしまい、コシがなくなります。コシがなくなると、のど越しもあまりよくありませんので、素早く冷やすように心がけてください。

どうしても氷がない場合は流水でできるだけ早く冷やしましょう。

ゆでたては素麺にぬめりが残っているので、もみ洗いをしながら冷まします。素麺が冷えてきたと感じても、もしベタベタやヌルヌルした感触があれば取り切るまでしっかりもみ洗いをしてください。
そうすれば、つるんとしたのど越しのよい素麺に仕上がります。

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安藤康典
専門家

安藤康典

株式会社安藤商店

組合から認定を受けた熟練工場のみが製造できる黒帯の「特級」、手延製麺技能士の有資格者のみが製造する金帯の「熟成麵」など等級が高いそうめんを製造。室温や水温、湿度にも細やかに気配りする。

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