ここにもあった!そうめんを美味しく食べるつゆと薬味
日本にはたくさんの素麺の産地があることをご存じでしょうか。
手延べや機械式、食用油の使用の有無など製法の違いがありますが、どの産地の素麺もそれぞれに美味しさがあります。今回は全国の素麺やその中でも有名な日本三大素麺についてご紹介したいと思います。
日本全国にあるたくさんの素麺の産地について
素麺の産地は日本全国に広がっており、それぞれに特徴があります。
手延べ素麺は産地により主要の原料に違いがあり、食用油を使用して作る場合は細い素麺になり、食用油を使わない素麺は少し太麺になる傾向があります。細い素麺になるほど熟成や伸ばしを繰り返す必要があり、一般的に製造に2日間と長い時間が必要になるのです。
それでは、全国にある素麺の産地と特徴をご紹介していきましょう。
まず岩手県奥州市で、機械式で作られる黄色い素麺は卵が加えられており、「卵麺(らんめん)」と呼ばれます。
宮城県の「白石温麺(しろいしうーめん)」は機械式で長さ10cmの太めの素麺です。かつては手延べ製法でしたが大正の初期から機械式へと移り変わりました。一部では手延べでの製造も残っているようです。太めの麺のため温かい料理によく合うことから温麺(うーめん)と呼ばれるようになりました。
富山県の「大門そうめん」は、手延べ製法で乾燥して切断する前の半乾き状態の麺を丸まげ状に丸めて乾燥させたものです。「丸まげ素麺」とも呼ばれ、ゆでるときは麺を半分に割ってゆでます。
愛知県の「和泉そうめん」は、手延べ製法で一度乾燥させた長い素麺を再加湿し、やわらかい半生状態に戻した珍しい素麺です。
三重県の「大矢知(おおやち)そうめん」は、手延べ製法で麺が他の産地に比べてかなり太いことが特徴です。
兵庫県の「播州そうめん」は手延べ製法です。素麺の国内生産高が1位の産地。今は衰退してしまったのですが、神戸市灘区で製造されていた「灘そうめん」の流れから発展し、商品ブランド名である「揖保乃糸」で有名になりました。
奈良県の「三輪そうめん」は、歴史が最も古く、素麺発祥の地とも言われています。手延べ製法でコシが強く細い素麺です。
香川県の「小豆島そうめん」は、手延べ製法で江戸時代の初期頃から製造が始まり、三輪そうめんが由来と言われています。ごま油を使った手延べ製法が特徴です。
徳島県の「半田そうめん」は、手延べ製法で冷や麦や細いうどん位の太さがある素麺で、もっちりとした食感が特徴です。
愛媛県の「五色そうめん」は、手延べ製法で天然色素によって着色した5色の素麺。梅肉の赤、抹茶の緑、鶏卵の黄色、そば粉の茶色と通常の白で5色の彩りになっています。
岡山県の「備中そうめん」は、「鴨方素麺」「かも川素麺」とも呼ばれ、コシと喉越しの良さがある素麺です。
山口県の「菊川そうめん」は、昭和50年代前半から素麺製造を開始した比較的新しい産地です。手延べでコシが強いことが特徴です。「長州手延べそうめん」としても販売されています。
佐賀県の「神崎そうめん」は、機械式で佐賀平野産の良質の小麦を使用した素麺です。コシが強くにゅうめんにも適しています。
熊本県の「南関(なんかん)そうめん」は、手延べ製法で半乾き状態の長い素麺を八の字に折りたたんで乾燥させたものです。ゆでるときは二つ折りか三つ折りにしてゆでて、刺身醤油でいただきます。
素麺といってもそれぞれ産地により特徴が違うのでおもしろいですね。
次は、その中でも日本を代表する日本三大素麺について詳しくご紹介しましょう。
日本で有名な素麺 日本三大素麺 その1「揖保乃糸(播州素麺)」
日本三大素麺のひとつが「揖保乃糸」。夏になるとスーパーでよく見かけるのではないでしょうか。そうめんの代名詞とも言える存在です。
兵庫県の揖保川中流域のたつの市、揖保郡太子町、宍粟市、姫路市林田、安富地区で生産されています。600年ほど前の書物に当時から播磨・播州地域で素麺が食べられていたことが記されていたそうです。江戸時代から素麺の製造が本格的になっていきました。そして、産地としての信頼を守るために製造者同士で取り決めが作られました。
現在も製法は機械ではなく、熟練した職人による手延べで、熟成と縄状に麺に絞りをかけて伸ばす作業を繰り返し行われています。そのおかげでゆでても伸びにくく、滑らかな舌触りとコシがある食感が特徴です。
日本で有名な素麺 日本三大素麺 その2「三輪素麺」
日本の素麺発祥の地が奈良県桜井市を中心とした三輪地方です。約1200年前、日本最古の神社である三輪山の大神神社で飢饉や疫病に苦しむ人々の救済を祈願し、神様の啓示によって小麦を粉にして、湧き水でこねて糸状にしたものが起源と言われています。
「三輪そうめん」は11月~3月の寒い時期限定で作られ、乾燥した素麺は木箱で貯蔵し、熟成してから出荷されています。塩分が少なく、細くてコシが強く、歯ごたえが特徴です。
日本で有名な素麺 日本三大素麺その3「小豆島素麺」
江戸時代の初期に小豆島の島民がお伊勢参りの帰りに奈良県の三輪そうめんの技術を習って帰り、島に広めたことが始まりと言われている「小豆島素麺」。
原料の小麦栽培に適した気候と瀬戸内海の塩、ごま油が採れることから手延べ素麺作りが盛んになりました。天日干しに最適な雨が少なく、日照時間が長い気候も適していたそうです。
手延べに天然のごま油を使用しているため、酸化しにくく長い期間風味のよさを楽しめる素麺です。