睡眠時無呼吸症候群の治療について
耳鼻咽喉科 藤木クリニック 院長の藤木暢也です。
今回は、前回の睡眠時無呼吸Q&Aに引き続き、睡眠時無呼吸症候群の検査についてお話します。
睡眠時無呼吸症候群は、息の通り道が何らかの原因によって狭くなって起こることが多いですが、狭くなる部分は、鼻、鼻の奥(上咽頭)、扁桃腺の部分(咽頭)、舌の付け根(舌根部)、などさまざまです。
耳鼻咽喉科では、一般的な視診(通常の診察)以外に、狭くなっている原因部分を調べるため、まず、内視鏡(ファイバースコープ)などによる診察・検査を行います。これにより、狭くなっている部分や原因を推定して、治療方法選択の参考にします。
鼻から細い(当院では直径2.6mm)ファイバースコープを入れて、鼻の奥からのどまでを観察しますので、短時間で苦痛もほとんどありません。
検査の費用は、初診料含めて、健康保険3割負担の方で2700円程度です。
続いて、眠っている間の呼吸状態や血の中の酸素の量を調べる検査が必要です。これには、貸し出し機器を使って自宅で行う簡易睡眠検査と、入院で行う終夜睡眠ポリグラフィーという精密検査があります。
一般には、まず、簡易睡眠検査で、無呼吸の有無、程度を調べ、結果によって、精密検査が必要かどうかを検討します。
簡易睡眠検査(貸出機器)による無呼吸検査・診断の費用は、健康保険3割負担の方で3000円程度です。
いずれにしても、いびきや無呼吸を指摘されている方、昼間の眠気や起床時の熟睡感不足のある方は、一度、内視鏡検査と簡易睡眠検査を受けていただくのがよいと思います。