築140年の古民家、長寿命の謎とは?

髙岡恭平

髙岡恭平

テーマ:マンション 調湿 


【三田市にある茅葺+安全屋根の古民家】

来月から築140年超の古民家の改装工事に入ります。
そもそも100年を超える日本の古民家はなぜ、朽ち果てずに残っているのでしょう?
いつのころからか、日本の住宅の平均寿命は26年と言われるまでになりました。
先進国ではもちろん最低。住宅ローンも終わらないうちに家がなくなるんですよ。
温暖化による気候変動はあっても、高温多湿の夏は以前と変わらないのになぜ、30年も経たないうちに住めなくなってしまったのでしょう?

【玄関庇、樋もかなり傷んでいます】

昔の日本の家は高温多湿の夏をベースに考えられていたので、素材のすべてに通気性を優先しています。
山で採れた木、土壁、紙ですね。

色んな情報を集めると、合板(ベニヤ板)の普及に関係があるようなのです。
日本の合板(ベニヤ板)の歴史は1912年から始まります。今から103年前ですね。
古い家の中を歩くと床が沈みますよね。外壁から水が浸入して内側が剥がれたり、膨らんでいる古家を見たことはありませんか?
昔の家は、木束がシロアリに食われて床が下がっていました。床板は杉や桧でした。
相当前から束は鋼製が増えています。鉄はシロアリに食われないのに、今は合板などの床板そのものが湿気を含んでどうしようもなくなっています。

【さすがに、軒裏の板も所々腐っています】

合板(ベニヤ板)に通気性はありません。
丸太を薄切りにして接着剤で幾層にも貼りあわせたのが合板なんですね。
100年以上前の日本の家は、1階の床や壁、屋根などには通気性のある無垢材が使われていました(ベニヤはなかったし…)。それが、結果的にメンテナンスをしながら100年を超すような長寿命につながっていたのです。
建物に水分(水蒸気や雨)が侵入するのは、1階の床下地、外壁下地、屋根下地ですから、本来はこの部分には、合板を使うべきではないのです。

【瓦がかなりずれてきています】


屋根や外壁にはアスファルトルーフィングを使いますが、その防水効果はさほど長続きしません。
住宅メーカー時代、建て替え受注の絡みで、多くの木造住宅の解体に立ち会ってきましたが、20年にも満たない古家の床、外壁、屋根の下地は防水が切れて無残なものでした。
最近は、構造強度を上げるために外壁に合板がバンバン使われていますが、相当こまめに(10年ごとかな?)防水メンテをしないと大変ですね。釘打ちしたサイディング外壁やカラーベスト屋根も同様です。

メンテにお金がかかりすぎる家になっています。
まさに、安物買いの銭失いですね。それも、巨額の損失です。

【室内は、まさに100年超の古民家です】

無垢材も合板同様、外部に使う場合は注意が必要です。呼吸する素材なので、呼吸を妨げる塗装をしてしまうと、あっという間にボロボロになります。窒息死させてはだめですよ。

でも、無垢材を雨に曝されない内装に使っていただくと、驚くべき長寿命、経年美化商品に早変わりします。
それは戸建であっても、マンションであっても同じことです。
特に、気密性が高く、湿気や結露を呼びやすい鉄筋コンクリートの塊に命の息吹を吹き込むのは、杉や檜などの天然木なのです。

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髙岡恭平
専門家

髙岡恭平(福祉住環境コーディネーター)

森林浴生活株式会社

暑くない・寒くない・湿気ない...おまけに結露やカビもない。外気温に左右されない健康と家計に優しい断熱リフォームが得意。スギやヒノキ等の天然木は断熱・調湿効果に優れ、住まいの温湿度を快適に保ちます。

髙岡恭平プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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