100年物の御簾戸と桐の扉
【築80年位の古民家から出た逸品です】
マンションの中(なか)和室って6帖タイプが多いんですけど、広さを維持しながらインテリアグレードを上げる手段がなかなか少ないのです。当社では、広さを損なわない古建具、御簾戸の提案をしています。
御簾戸は夏障子とも呼ばれ、いわゆる昔のお金持ちがオーダーで作らせたものです。
今は、メインに使う国内産の「葦」が希少価値で、新調したくてもなかなかできません。
【カメラのフラッシュで白っぽく写っていますが、透過感が狭さを感じさせません】
当初、ご主人様は元々あった襖を残しておくつもりだったのです。でも、4枚がピシッと建て込まれた様子を見て、処分を決められました。先に現物は見て頂いていたのですが、そろい踏みの美しさに感動されたのです。
これなら一年中見ていても飽きがこなくて良いということなのですね。まさに理屈ではなく、感性に響いたのです。
【建てこむ前はこんな感じです】
普通なら襖紙を貼り替えるくらいですが、御簾戸にすると…
① 通気性が確保できるので閉めきっていても暑くない。
② 向こうがぼんやりと見える透過感が、リビング・和室の狭さを感じさせません。
③ 何と言っても自然素材の経年美化が命です。
【廊下側の入口も同じ御簾戸にしました】
御簾戸が4枚同じものが揃っているのはなかなかありません。よくて3枚、多いのは2枚ですので、今回のお客様はラッキーだったと思います。中桟のしゃれた模様、丸い古竹の取手も伝統技術です。
こげ茶色の横桟はススダケで、青竹が囲炉裏の上でこの色になるのには100年以上かかるのです。
80年前にその時点で100年前のススダケを使っているなんて、資源を大切にする美しい国、日本の象徴のようなものです。
【今回、加工した所です。】
昔の御簾戸は大体寸法が2種類です。高さは1740㎜前後で統一されているみたいですが、幅は970㎜と740㎜なので、襖が入っていたところに収めるには加工が必要になります。このマンションの鴨居の高さは1870㎜弱でしたので、御簾戸の下に板を足して完成となりました。板といっても、元々の木目や色の近い古材を探しますので手間のかかる仕事なのです。出来あがってしまえばそれまでですが、既存枠に収めるために職人さんが生真面目につくってくれているのです。
ぼちぼち、うちも御簾戸の在庫が少なくなってきました。仕入れに行かなくては!
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