築140年超の古民家改修、古さに合わせて板材を選ぶ
【左:唐草、右:弁柄っぽい赤】
神戸市須磨区横尾7丁目にある横尾4団地は、新築後30数年を経過している分譲マンションです。
LDKを間取りの中心に据えて、和室3室がそれぞれ独立する機能的なプランのお蔭で中古住宅として手堅い人気を誇っています。
浴室をはじめ全ての部屋に窓があるのも特徴のひとつです。しかしながら、高齢化が進んでいることもあって少し古臭い印象は否めないのですが、今回、6帖の和室が大胆に変わりました。
【左:茶革クロス 正面:木の化粧柱と化粧長押面に貼った唐草模様のクロス】
畳という和の要素は残しつつ、押入れふすまの茶革クロス貼りも含めて4方向の壁紙を大胆に選んで組み合わせました。もちろん、これはお客様の素晴らしい発想と選択です。
浴室でも部屋でも壁の1面だけをアクセントにする手法はかなり以前からあります。
クロスメーカーの見本帳を見ても組合せが紹介されていますが、畳の部屋で4方向変わるのは前代未聞,
秀逸な傑作です。
【川島毛織の高級カーテンもセンスアップに一役買っています】
写真ではわかりにくいのですが、木製二重サッシの入っている出入窓の壁面も薄いグレー調の壁紙を選択しています。唐草の対面が赤という対極の色遣いの間をうまく繋いでいます。
お客様の素敵なお人柄が表れているようですね。
【1月に改装した時の杉の引き戸と今回の赤のクロスの組み合わせはヒットです】
木の扉と弁柄色は京都の先斗町に行くとたくさん見られる組み合わせです。
先斗町に並ぶお店には様々な格子戸のデザインがありますが、いずれも無垢材で作ったものばかりです。
杉や桧の典型的な和デザインでも華やかにみせる代表的なカラーが弁柄色、赤色なのです。
【特筆すべきは襖に茶革風のクロスを選択された点です】
4方向の壁のクロスを変えている点ばかりに目が行きますが、実はベースの色は3色に抑えているのです。よくみると濃淡はありますが、元々ある木の色も含めて茶系・赤・グレーの3つなのです。
不思議に落ち着くのはその点が配慮されているからだと思います。
もうひとつ付け加えると、大胆な柄や色をうまくまとめているのは無垢材の持つ包容力です。
木製二重サッシに使われている栂(とが)、節のある杉の引き戸、それから30数年前からある経年変化して濃くなった化粧柱やふすまの枠もそうです。
マンションでも部屋の使い方や、部屋の主の意向で色柄を変えるのはとても素晴らしいことだと思います。私は「マイルーム・ブランディング」と呼んでいます。
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