写真作品への講評をご紹介します。

宮本博文

宮本博文

テーマ:写真教室

【写真作品講評】
スタジオ撮影の合間になりましたが、遠方の写真教室生徒さんへのメールでの作品講評の時間をとらせて頂きました。
その内容をご紹介します。皆さんの参考になれば嬉しいです。

ローキー調の心象的な作品に仕上がりました。
単写真ではなく、フォトストーリーとしてご自身の世界観が表現されています。
①夢想
欲を言えば、アオサギの顔が見たいところですが、周囲の南天の実(魔除けや火災よけの効果がある植物)が映えて、現実ではなく何故か浄土の世界を感じます。「難を転じる」その道標としてアオサギが存在するのでしょうね。
しかも、日の丸構図により「静観」のある素晴らしい作品となりました。
②眼光
このような作品はどの程度周囲を写し込むかが難しいですね。アップにしすぎると、どこの場所なのか分かりにくくなります。前ボケ・後ろボケを活かす「絞り値」にも一苦労ですが、良い作品となりました。手前の木枠や向かって右奥の壁のトーンが細部まで描写されているところは流石です。遠近感が伝わります。
やはり日の丸構図で良かったのでしょうね。
③観察
子供の笑顔とヒョウの厳しい表情が対照的で思わず笑顔が溢れる作品です。
ガラス越しの撮影ですが、写り込みも最小限にされています。トリミングも緊張感よりやんわりとした空気感を表現するにはこのままで良いでしょう。
④追想
お見事です! 「人形供養祭」の看板と人形との距離感が絶妙です。そのためにローアングルで撮影されたところは完璧です。観る人に色々な想像をしてもらえる作品ですね。このような豪華な人形を奉納する方はどんな方なのだろうか・・・等。少し悲しさを感じますが、それよりこの人形を囲んで家族が談笑していた光景を感じることが大事なのかと思いました。
観る人の経験則を引き出す作品は大切ですね。
⑤花明かり
参道横の吹き溜まりに季節の移り変わりをみました。多くの方を魅了した桜が散り、今は人も通り過ぎていくこの光景。「散り際の美」だからこそ、人は「桜」に想いをはせるのかもしれませんね。
このような光景を見逃さない視点が素晴らしい。
そして全ての作品で言えることですが、構図法にとらわれずに、露出による作者の心を見事に表現している感性とテクニックは素晴らしいです。
引き続き「感じる・考える・行動する」作品づくりを期待しています。

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