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家族の「絆」を写し出す写真を撮影する家族写真館

家族写真撮影のプロ

宮本博文

宮本博文 みやもとひろふみ
宮本博文 みやもとひろふみ

#chapter1

記録ではなく記憶に残る写真を撮りたい

 写真スタジオ・栄光社のカメラマンであり社長である宮本博文さんは自らを「家族写真家」と名乗っています。実際、彼のブログには沢山の家族の写真が日々アップされています。お宮参り、七五三、入学・卒業、成人式、結婚式、誕生日…そのどれもが輝いており、自然な笑顔に溢れています。見ず知らずの家族の写真なのに、眺めていると自然と笑みがこぼれてしまう、そんな写真…。一体どうしてこんな素敵な笑顔を写すことができるのか、その秘密は栄光社のキャッチフレーズ「家族の絆を大切にする写真館」に隠されています。

 宮本さんが目指す写真とは、「記録ではなく、記憶に残る写真」。「笑顔だけ撮ればいい、きれいに撮ればいいだけなら、わざわざ写真館に足を運ばなくてもいい。デジタル化が進み、プロとアマチュアの技術の差は縮まる一方ですから。だからこそ、私たち『町の写真館』、プロのカメラマンは『思い』を込めないといけないのです」

 『思い』を込めるために、栄光社では撮影前のヒアリングには特に力を入れています。来店時にはお客様にヒアリングシートに「どんな写真を撮りたいか?」「どんな形で残したいか?」などのリクエストを書き込んでもらい、それを基にお客様とコミュニケーションを取りながら撮影に臨みます。この姿勢は、証明写真でも広告用写真の撮影でも同じこと。十分なヒアリングとコミュニケーションが、お客様の望む「1枚」への第一歩なのです。だからこそ、「お客様への接客にも特に気を配っています。そのおかげか、今はお客様からのご紹介がとても増え、嬉しい限りです」。

#chapter2

「良い写真」はお客様と写真家との共同作業で撮影できる

 3年前、店舗をリニューアルするとき、宮本さんにはあるこだわりがありました。
「スクリーンを使って背景だけ変えて撮影すると、お客様のテンションが下がるんですよ。だから、スタジオ全体を自由に使って、好きなところで好きなように撮影できるようにしたいと思って」。実際、2階のスタジオを覗かせてもらうと、出窓があったり、階段があったり、あるいは白い壁にも貝の模様が押し付けてあったりと、至る所が撮影ポイントに。他にも、小さな木の机と椅子や揺りかご、子どもの好きなおもちゃなど小道具も充実しています。

 「このスタジオになってから、子どもたちが泣かなくなりました。年間300~400人の子どもさんを撮影しますが、泣いて撮影できなかったことは1回もありません」とのこと。

 出来上がった写真を見ると、どの子も自信たっぷりで、『えっ、この子、プロのモデル?』と驚くような表情を見せています。子どもだけではありません。一緒に写っているパパやママも、自然なのにどこか「イケてる」顔をしています。キラキラ輝いている、とでもいうか。宮本さんいわく、「あちこち移動しながらシャッター切っているうちに、お客さんたちもノッてくるんですよ。そのうち、自分でポーズ作るようになって。そうなると私たちのテンションも上がるから、益々いい写真が撮れる。良い写真は、お客様と私たちの共同作業で生まれるんですね」

宮本博文 みやもとひろふみ

#chapter3

目指すは「ホームフォトグラファー」

 現在、写真スタジオ・栄光社のカメラマンは宮本さんの他、創業者である宮本さんのお父さん、そして、三代目になる宮本さんの息子さんの3人。「昔からお馴染みのお客様に、『3人とも写真が違う』って言われましたよ。父はかちっとした写真、私は派手で華やか、息子は素直。お客様はそれを分かった上で、『今日は三代目に頼もうかな』なんておっしゃって。でも、すごく嬉しいことですよね」。また、今年の成人式には20歳の写真の横に、20年前、宮本さんのお父さんが撮影したお宮参りの写真を合成したアルバムを作成、大好評だったとか。そんなことができるのも、この地域に根ざし、永年に渡り家族の写真を撮り続けてきた栄光社ならだからこそ。

 宮本さんは言います。「町の写真館は街の文化。なくてはならない存在にならなくてはいけません。かかりつけのお医者さんをホームドクターと言いますが、私は『ホームフォトグラファー』になりたいです」

 そんな宮本さんはこの夏、新たな仕掛けを考えています。「スタジオでの撮影もいいけど、やっぱり太陽の下のほうがもっと自然な姿を撮影できます。つまり、もっと自然な姿を記憶することができます。なので、これからはスタジオを飛び出し、アウトドアでの撮影を増やしていこうと思っています。


 栄光社の挑戦はこれからも続きます。創業者であるお父さんの志を宮本さんが引き継ぎ、そしていつの日か宮本さんの熱い思いは息子さんに引き継がれる。栄光社自身が、「家族の絆」を大切にし、「ホームフォトグラファー」として加西の町で「家族の写真」を撮り続けていくのでしょう。

(取材年月:2019年1月)

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専門家プロフィール

宮本博文

家族写真撮影のプロ

宮本博文プロ

カメラマン

STUDIO栄光社

日藝写真学科時恩師の『写真の伝道師たれ』を兵庫県で実践。企業の撮影コンサルティングや広告写真撮影、写真館としての記憶に残る撮影、又写真講座などを行い「写真楽=写真の楽しさ」をお伝えしています。

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