コインパーキング経営のリスク
「商業地」としてのニーズを知る
「コインパークの土地を選ぶ時、商業地と住宅地のどちらを選択するのが良いでしょうか?」といった質問を筆者は、しばしばお受け致します。
回答としましては、一概には言い切れません。
「商業地」と一口に言っても、規模や人口密度、店のカテゴリーや集まる人の年齢層…多角的なリサーチが必要です。「商業地」なら全てOKというわけでもありません。
そのエリアの場所柄やニーズに合わせたアプローチが、どんな時にも必要でしょう。
「住宅地」もしかりで、どのような性質の「住宅地」なのかがポイントで、親しみやすい町か、少々ハイソな雰囲気の町か…。
そのエリアの人々が求めているパーキングスタイルを把握することが、成功への道しるべとなります。
今回は「商業地」をテーマに運用事例を見ながら確認していきましょう。
1台あたりの利用時間が短い
では、実際の運用データからDSS で検証したところ、商業エリアでは、場所柄にもよりますが、住宅地に比べて1台あたりの利用時間が短いのが特徴だということがわかりました。
駐車時間が短いことと、回転も速いことから、稼働率・回転率が大変良いという結果が出ています。
そのようなデータから、値段設定を1時間で区切るのではなく、15分100円、30分200円、60分400円などとする場合が多いです。
金額設定は、近隣のコインパークを慎重にリサーチする必要があります。
近隣では、15分100円と設定しているとしたら、30分200円の設定も良いかもしれません。
なぜなら、5分停めても20分停めても200円だからです。
回転率もよくなることに加えて、この設定にすると、当初の2倍の収益が見込めます
商業エリアでは、ビジネスで利用されるユーザーが多いので、経費で処理されることがほとんどのようです。
そうなると100円単位での細かな大小は、あまり考えられないので、そのあたりも考慮して料金設定されると良いでしょう。
出庫件数の集計をデータから動きを知る
料金設定で、注意したいこととして、何度も書いてきましたが、周辺の駐車場料金の相場を基準にすることが大事です。価格競争はしないで、独自のビジネスセンスで闘いましょう。
夜間の駐車料金を半額にすることもアイデアでしょう。
また、「1日最大1500円」など、長時間利用の上限を設けた一定の料金呈示をするのも良いのではないでしょうか。
コインパーキングとして本格的にオープン後、曜日ごと、時間帯ごとの稼働率などを確認することは、大変重要です。
その後に、いくらでも価格チェンジはできますので、臨機応変にユーザーのニーズを汲み取っていきましょう。
保守管理業務を依頼している会社では、ひと月の車の出庫件数を集計しデータ化しています。
時間ごと、曜日ごとに何台駐車されたかというデータがすぐにわかります。
そのデータを見れば繁忙期はいつかがすぐにわかり、価格の変更に有効です。
DSSでも、保守管理の一貫として、出庫件数の集計をデータ化しています。