心に響くスピーチの極意【野田首相と小泉元首相のスピーチ】
今回のテーマは「声の表情を豊かに」。聴いてもらうための演出をプレゼンテーション・ソフトに頼るのではなく、私たちが持っている、大切なコミュニケーションツールであり、最善のプレゼンテーションツールである、「声」を最大限に使って、聴き手を惹きつける極意です。
声の演出ポイントは大きく分けて5つあります。
声の大きさ、声の高さ、声の速さ、声の間(ポーズ)、声の質です。
きょうは、このうち、最初の3つについて、お伝えします。
まず、「声の大きさ」です。声が、きちんと聴き手に届くということは、何より大切なことです。
でも、「ただ大きければいい」というわけではありません。声の大小を使いわけましょう。
注意をひきつけたい下りのときに、頑張って声を張り上げるのではなく、逆に「声をひそめてみる」ことも効果的です。あくまで、きちんと届くボリュームは保ちながら、でも声をひそめ、内緒話をするときのような息づかいで話すことをときには取り入れてみてください。
声の要素、2つめの「高さ」は工夫がしやすいところです。
「おはようございます」とさらりと言うのではなく、低い音はより低く、高い音はより高く、いつもより少々大げさに、舞台俳優かオペラ歌手になったつもりで「おはようございます」と挨拶をしてみてください。声の高低差を思い切ってつけることで、声の存在感が増し、人間がひと回り大きくなったような気分になれるだけでなく、周りの反応も違ってきます。
3つめの要素は「速さ」。
1分間に話す速さは、300字から350字が適切です。
基本となる速さを知った上で、文の展開に合わせて、語りかけるようにゆっくりと話すところ、たたみかけるようにリズミカルに話すところ、と変化をつけてみましょう。
「大きさ」「高さ」「速さ」これを工夫するだけでも、あなたの声の表現力が大幅に広がります。
さらに、表現力を高める、声の要素の4つめ「間(ポーズ)」、5つめの「声の質」については、次回(来週水曜日)、お伝え致します。