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コラム
【経営者に求められるスピーチ力】[6]聴き手を置き去りにしない
2012年3月7日 公開 / 2021年1月2日更新
このシリーズでは、「話の地図を描く」「的確な言葉を選ぶ」「センテンスは短く簡潔に」など、経営者の方に欠かせない、伝わる話し方の極意をお伝えしています。
すべてに共通しているのは、聴き手の視点に立って、話が見えやすい、伝わりやすい工夫をするということです。
コミュニケーションはキャッチボール、相手が受け止めやすいボールを相手と気持ちを通わせ、呼吸を合わせて、投げる、そして受け止めることが大切です。
今回のテーマは「聴き手を置き去りにしないための心がけ」です。
人前で話をするとき、あなたはどこ見ていますか?
1対1だと、相手の顔、中でも目を見て話すことが多いのですが、大勢の人の前だと、顔もあげずに、ただひたすら手元の原稿だけを一生懸命見て、読み上げているということになりがちです。
間違いなく読めたとしても、これは、とてももったいないことです。
せっかく目の前に聴き手がいるのに、これでは、聴き手と心を通わせることができません。
きちんと顔をあげて、聴き手に視線を配りながら、反応を受け止めましょう。
聴き手の頭にクエスチョンマークが浮かんだかな、と思ったら、話を補足したり、たとえ話を入れたり、退屈しているかなと思ったら、質問を投げかけてみたり、具体的な表現をしてみたりと、聴き手と一緒になってその空間を作り上げていくことができます。
視線のやり場に困るという声もよく聞きますが、ある程度の広さのある会場でしたら、会場全体をゆっくりとSの字を図描くように見渡し、次に逆Sの字を描いてみる、というようにすると会場との一体感が生まれます。
中にとても反応のよい人がいたら、その人の反応をひとつの基準、ペースメーカーのような感じにして、会場のノリ、関心度や理解度を計りながら、話を進めていくと自信が持てますよ。
原稿を読む場合でも、最初と最後の挨拶や「ここが一番言いたい」という要所要所では、顔をあげて、聴き手を見ると、あなたの話により説得力、信頼感が生まれます。
次回は「声の表情を豊かに」するコツをお話し致します。
来週水曜日の午前にどうぞコラムをのぞいてみてください。
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