時期がずれると、売却が難しくなるのは本当？

「来月から売り出すと、スピード感をもって売却できます。」
とか、
「今月中に売り出すと、市場の反応が全然ありません。」
このような、絶対的に売れる・売れないタイミングはハッキリ言って、ありません。
但し、その物件の立地を含めて、いくつかタイミングを計れる要素は
ありますので、それについて述べていきます。

立地の良し悪しについて

今、この記事をご覧頂いている方々、お一人お一人それぞれの
「立地の良し悪し」があるハズです。
　・駅の近くは騒々しいけど、お店や金融機関や医療関係などが
　　揃っているから便利で良い立地。
と言う方がいれば、
　・車で通勤や買い物が出来れば、わざわざ騒々しい駅前じゃなくても、
　　むしろ住宅街の方が良い立地。
と言う方もいます。
要は、生まれ育った環境や、逆に住んだ事が無いからこその
憧れ的な感覚も良し悪しを分ける要素だと思います。
自分が住み続けているから「良い立地」ではなく、次に住まわれる方が
「良い立地」だと感じなければ、売却の際はその意味を持ちません。
ちなみに、バス便や私鉄沿線よりも、JRの駅まで徒歩圏内にある
物件の方が、実際には需要が多くなります。ですので、売れるスピードは
バス便などの物件よりも、比較的早くなるケースが多くなるでしょう。

周辺の売出し物件の有無

売却を考え、まずは不動産業者に査定を依頼し、売出し価格等が
決まれば市場に出す。これが通常の流れですが、その査定書には、
査定価格の根拠となる売出し中物件の事例や成約物件の事例が
添付されます。成約物件は「査定価格」に直接影響しますが、
売出し中の物件こそ、「売却するタイミング」を計る大きな要素となります。
駅近で便利が良い場所にある物件の場合、周辺に数多く売却物件が
出る事があります。一気に売れる事はなかなか考えられないので、
そのタイミングで売り出すとどうなるでしょう？競合物件が多い為、
価格交渉の幅が大きくなる可能性が考えられます。住宅ローンの残債が
ある方は、売却価格の下限値が決まってきますので、大幅な交渉がくると
正直キツイと思います。ですので、もし可能なら、敢えて市場に出す
タイミングをずらす事も視野に入れておいて下さい。じゃあ、周辺に
売出し物件がほとんど無い場合、すぐに売れるかと言うと、それはそれで、
そんな単純なものでもありません。あくまでも、物件所在地周辺の
需給バランスが肝要なのです。

担当者や業者が違うと売却期間が変わる？

売却を任せようとする担当者は、それぞれ経験値・知識・提案力・
顧客視点などのレベルが当然違います。売買仲介専門の大手業者は、
扱う件数が多い為、中小の業者よりは安心感を得やすいのは否定しません。
ただ、支店（営業所）が多いので、担当者がころころ変わる可能性もあります。
営業マンが入れ替わるという事は、スキルレベルがころころ変わる、
と置き換える事が出来ます。ですので、大手業者のみに依存する
のはお勧めしません。
お勧めはしませんが、「自分の担当者は経験や知識も豊富で頼れる。」と
いう場合は、他の業者にわざわざ相談する必要は無いでしょう。
逆に、どうも数字（価格）の根拠が薄いとか、良い事を並び立てて、
高い価格で売れます、と断言するような担当者は避けた方が良いでしょう。
業者及び担当者によって、売却期間と成約価格は結構変わるものなのです。

売却をお考えの方から、「いつ売れば、高値で売れますか？」と
聞かれる事があります。
私は、いつもこうお答えします。
「そんなタイミングは、そうそうありません。但し、前述している事などを失敗すると、
逆に長期化し、相場より安い価格で売却するハメになりますよ。」と。

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