相場の動きを決めるのは何か

森岡寛将

森岡寛将

テーマ:資産運用の基本

お客さまにお伝えしたいこと

  • 市場で決められる株価について、対象企業に関する情報は既に織り込まれていることが多く、企業業績の結果がそのまま株価の動きになるとは限りません。
  • 株価はニュースや投資家心理で上下しますが、長い目で見れば企業の利益成長や事業の強さなどの本源的価値を反映する。
  • 相場の短期的な動きに振り回されず、投資先の本源的な価値を見極めて幅広く分散投資することが大切です。

 資産運用において、業績の良かった企業に投資すれば、そのまま株価が上がっていくと思っている方は少なくありません。また、ニュースを見ていれば相場はある程度読めるのではないかという意見も少なくありません。
 
但し、市場で決められる株価は、対象企業に関する情報は既に織り込まれていることが多く、企業業績の結果だけでは株価は上がるとは限りません。

 ここでは業績が良かったのに株価が低迷した例として、日本の代表的なキャラクタービジネスを展開しているサンリオの2025年第2四半期決算発表時の株価の動きを取り上げます。
2025年11月5日に開示された2025年第2四半期決算は営業利益で前年同期比+66%で通期予想も上方修正するなど良好な内容だったのですが、翌日以降の株価は低迷する結果となっています。
※特定銘柄の推奨を目的としたものではありません

企業業績が良くても株価が下がる要因としては、主に以下の3点が挙げられます。

さきほどのサンリオの事例もBloomberg等の報道によると決算の結果が市場参加者の期待する水準に届かなかったことが背景のひとつとされています。

このように企業の株価を決めるのは、業績の結果ではなく、市場参加者がその企業の将来に対してどのような見通しを持っているかとなります。

そのため、良いニュースでも「予測通り」なら上がらないことがあり、逆に悪いニュースでも「思ったほど悪くない」で上がることがあります。
 また、企業の将来に対して機関投資家や運用会社などの資産運用に関するプロの投資家は幅広い情報網や専門の人材を活用しながら予測を行っていますが、予測と実際の結果との間に乖離が発生することで相場を動かす材料となっています。

 個々のニュースに対する投資家の反応には、多くの市場参加者の予測が関わっており、その動きを正確に把握することは容易ではありません。

 一方で、市場価格に影響を与える投資家の予測は、投資対象の経済活動に基づいた本質的な価値を土台として形成されると考えられています。企業の場合には、将来どの程度の利益を生み出せるか、安定した事業を継続できるか、競争優位性があるかといった点が重要な要素となります。市場価格は、こうした本質的価値を基盤としつつ、ニュースや実績に対する投資家の反応によって形成されます。

 投資対象の値動きの大きさや話題性に注目が集まりがちですが、重要なのはその投資対象がどのような価値を持っているかを多面的に検討することです。
 株価は短期的には景気やニュース、投資家心理によって大きく上下します。しかし、こうした一時的な動きだけで売買を繰り返すと、焦って高値で買い、安値で売ってしまうことがあります。一方で、本源的な価値に着目していれば、目先の値動きに振り回されにくくなり、その企業や資産が時間をかけて成長する力を信じて保有しやすくなります。

 長期継続運用のポイントは時間を味方につけることができる点です。優れた企業は、すぐに評価されなくても、利益の積み上がりや事業成長を通じて、少しずつ企業価値が株価に反映されていく可能性があります。
 だからこそ、短期の値上がりを追いかけるよりも、「この投資先は5年後、10年後に今より価値を高めているか」という視点や個別銘柄の値上がりを狙うよりも、「幅広く本源的な価値の獲得を目指す」という視点で考えることがポイントです。

足元の流行や一時的な値動きではなく、投資先の本当の価値を見極め、中長期でじっくり向き合う姿勢が大切です。その積み重ねが、資産形成の一助となる可能性があります(ただし市場環境等により異なります)。そして、短期の値上がりを狙って個別銘柄を選び続けるよりも、幅広く分散しながら長期で保有することが、一般的に資産形成では基本とされています。

※将来の成果を保証するものではありません。投資判断にあたっては、市場環境やリスクを十分にご理解いただいたうえで、ご自身の判断により行っていただく必要があります。

【資産運用の基本】投資初心者がつまずきやすいポイントをわかりやすく解説

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森岡寛将
専門家

森岡寛将(最高運用責任者)

株式会社アンバー・アセット・マネジメント

「顔が見える運用」「家族に勧められる商品・サービス」をコンセプトに、顧客本位の資産運用サービスを提供。運用現場からバックオフィス業務まで豊富な経験を有する最高運用責任者より役立つ情報発信に注力。

森岡寛将プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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