人生の節目と遺言 ~家族への未来のメッセージ~1
第4回 子どもが生まれた時こそ考えたい遺言
子どもが生まれると、人の考え方は大きく変わるように思います。
それまでは自分自身の将来を中心に考えていた方も、「この子を守っていきたい」「幸せに育ってほしい」という気持ちを強く持つようになります。
私自身、ご相談を受けていて感じるのは、子どもが生まれたことをきっかけに将来への見方が変わる方がとても多いということです。
- 生命保険を見直す。
- 住宅購入を考える。
- 教育資金について調べる。
それまで考えていなかったことを真剣に考え始める方も少なくありません。
遺言はどうでしょうか
多くの方は、「子どもがまだ小さいから」「財産がそれほど多くないから」「遺言はもっと先の話だから」と考えます。
もちろん、その考え方も自然なことだと思います。
しかし、私は子どもが生まれた時こそ、遺言について考える良い機会ではないかと思っています。
それは、財産の多さが理由ではありません。
守りたい存在ができるからです。
「自分は子どもに何を残したいのだろう」
親になると、「自分は子どもに何を残したいのだろう」と考えることがあります。
その答えは、人によってさまざまです。
豊かな暮らしを残したい人もいるでしょう。
学ぶ機会を残したい人もいるでしょう。
家族仲良く暮らしてほしいと願う人もいるでしょう。
どれも間違いではありません。
そして、その答えを考えること自体に意味があるのだと思います。
子どもが生まれると、未来を見る目も変わります。
10年後。
20年後。
そして、自分がいなくなった後のことまで考えるようになるかもしれません。
災害や事故など、私たちには避けられない出来事もあります。
だからこそ、「今は元気だから大丈夫」ではなく、「今元気なうちに伝えられることを伝えておく」という考え方も大切なのではないでしょうか。
縁起の悪い話をしたいのではありません。
親になったからこそ、子どもの未来を少し先まで考えるようになる。
それは、ごく自然な親心だと思うのです。
遺言というと、「誰に何を相続させるか」を決めるためのものと思われがちです。
もちろん、それは大切な役割です。
しかし、私は遺言を書く時間には別の価値もあると感じています。
それは、自分の価値観を整理する時間になることです。
- 子どもに何を大切にしてほしいのか。
- どんな人生を歩んでほしいのか。
- 家族にはどのように支え合ってほしいのか。
こうしたことを考える機会は、意外と多くありません。
遺言について考えることで、親としての願いが少しずつ見えてくることがあります。
また、子どもが小さいうちは、家族の状況も大きく変化していきます。
- 保育園に通い始める。
- 小学校へ入学する。
- 兄弟姉妹が生まれる。
- 住宅を購入する。
家族が成長するにつれて、環境も変わっていきます。
だからこそ、遺言も一度作ったら終わりではありません。
その時々の家族の姿に合わせて見直していけばよいのです。
私は、遺言は最初から完璧である必要はないと思っています。
子どもが生まれたばかりの頃の遺言には、その時の親としての想いが表れます。
そして数年後に見返した時、「今ならこう書くだろう」「この想いを付け加えたい」と感じることもあるでしょう。
人生が変われば、遺言も変わってよいのです。
むしろ、その変化こそが自然なのです。
遺言は一度書いて終わりではありません。
人生の節目ごとに見直しながら、その時の自分や家族の想いを映し出していくものなのだと思います。
子どもが生まれるということは、新しい命を迎えるだけではありません。
親としての人生が始まるということでもあります。
だからこそ、この節目に一度だけでも考えてみてください。
「もし今、子どもに未来へのメッセージを残すとしたら、何を伝えたいだろう」
その答えを考える時間は、きっとこれからの人生を見つめ直すきっかけになるはずです。
遺言は財産を残すためだけのものではありません。
大切な人への想いを言葉にする、家族への未来のメッセージでもあります。
次回は、
「家を買ったら遺言を考える理由」についてお話ししたいと思います。


