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遺言書は今の自分を整理する前向きなツール。長年の行政経験を持つ行政書士が作成をサポート

遺言書を前向きに生きるためのツールとして広めるプロ

笹和也

笹和也 ささかずや
笹和也 ささかずや

#chapter1

今から始めるという選択を!遺言書は何度でも書き直せるのだから

 「遺言書は15歳以上から作成できますし、何度でも書き換えられるんですよ」
 こう話すのは、遺言書作成をサポートする「あん行政書士事務所」の代表・笹和也さん。遺言書を作成する人の多くはシニア世代で、財産の全体像が固まったタイミングで作るケースが一般的です。しかしその後、家族構成や資産状況が変われば、内容が現実と合わなくなることも少なくありません。

 「定期的に見直さないと、せっかくの遺言が一部、あるいは全部使えなくなる可能性もあります」

 ファーストステップとして笹さんが勧めるのは自筆証書遺言です。自分で書けるシンプルさが魅力ですが、保管方法に工夫が必要。法務局に預ける制度があり、取り入れやすいのが特徴です。本人が亡くなった際に指定した人へ通知が届く仕組みもあります。自宅保管では、遺産分割が終わった後に遺言書が発見されるという事態も起こり得ます。さらに、自宅保管の場合に必要な家庭裁判所での「検認」手続きも、法務局への預け入れなら不要になります。火災などのリスク回避という意味でも、法務局保管には大きなメリットがあります。

 「今ある財産について書けるうちに書いておくことをおすすめします。事情が変わったら書き直せばいいのですから」

 家庭裁判所が扱う遺産分割事件のうち、遺産額が1,000万円以下のケースが3割を超えています。そのうち、不動産を含むケースが約7割というデータが示すように、「うちは財産が少ないから大丈夫」という思い込みは禁物。早めの一歩が、家族の未来を守ります。

#chapter2

50~60代から始める相続準備。親の遺言を引き出すための具体的アプローチ

 遺言書の必要性を最も痛感しやすいのは、実は親世代ではなく、その子どもたちかもしれません。笹さんは、50~60代の世代が相続問題のカギを握ると考えています。

 「50~60代は、親から財産を引き継ぐ立場でもあり、自分たちの財産を子どもたちにどういう形で引き継ぐか、準備に取り掛かる必要がある年代です」

 きょうだい間での相続トラブルを避けたいと思いながらも、親に遺言書の作成を頼みにくいと感じている方は少なくありません。「うちの兄弟は仲がいいからもめない」と思っている親も多いのですが、親が亡くなった後に関係がこじれるケースは後を絶たないといいます。そこで笹さんが提案するのが、「実家の片づけ」を入り口にしたアプローチです。

 「実家に自分の物を置きっぱなしにしている人も多いはず。片付けに行くという理由で親と自然に話す機会をつくってみては。その中で、自分も子どものために遺言書を作る準備をしているよと話せば、親御さんも考えるきっかけになるのではないでしょうか」

 日常の延長線上で話題を持ち出すこの方法は、押しつけがましくなく、親も受け入れやすいと好評です。また、生前整理の業者の紹介も行っており、片づけから遺言作成まで一連の流れをサポートしています。親が存命のうちは現在の自分の財産について遺言を作成し、相続発生後に改めて書き直すという二段階の準備も、笹さんが勧めるプランの一つです。
 さらに、少人数制の「遺言作成講座」も開催。形式的な書き方だけでなく、財産の残し方の考え方やリスク回避まで丁寧にレクチャーしています。

笹和也 ささかずや

#chapter3

許認可・補助金から相続まで。40年の行政経験が生む一貫したサポート

 笹さんは、留萌市役所での約40年にわたるキャリアを土台に、許認可の申請代行にも従事。また、市役所退職後に北海道中小企業団体中央会でものづくり補助金の担当を務めた経験から、「ものづくり補助金」をはじめとする補助金申請書類の作成支援も手がけています。

 「申請時に実績報告を見据えた書き方をすると、後で報告を書きやすいんです。採択後も、機械の導入前後の写真の撮り方など細かいところまで一緒に確認していきます」

 申請から報告完了まで伴走し、長年の行政実務で培った段取り力で、事業の成長を支えます。
 相続・遺言の分野に取り組むようになったのも、二つの実体験がきっかけです。町内会で独居の方が亡くなったことで相続準備の重要性を痛感したこと、そして叔父から依頼された「戦没者等の遺族に対する特別弔慰金」請求のために戸籍を集めた経験です。最初は1か月以内に終わると思っていた作業が、祖父とその兄弟姉妹にまたがる戸籍の収集のために半年近くを要しました。

 「行政で長く仕事をしていた自分でさえ苦労したのだから、慣れない人はより大変だと思います。手助けできればという思いで取り組んでいます」

 遺言をつくることを文化にし、相続問題のない社会にしたいと語る笹さん。財産の多寡にかかわらず、自分の考えを言葉にして残すことが、残された家族への大切な贈り物にもなります。遺言書を「前向きに今を生きるための整理」として捉え直してほしいとの思いが、活動の原動力となっています。

(取材年月:2026年4月)

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笹和也

遺言書を前向きに生きるためのツールとして広めるプロ

笹和也プロ

行政書士

あん行政書士事務所

「前向きに生きるためのツール」として遺言書を捉え直し、作成・見直しまで伴走。少人数制の遺言作成講座も実施。40年の行政実務と補助金担当の経験を生かして、補助金申請、許認可申請もサポートします。

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